第80回国会(常会)
質問第四一号
ハンセン氏病患者国立療養所沖繩愛楽園並びに宮古南静園の職員の増員等に関する質問主意書 右の質問主意書を国会法第七十四条によつて提出する。 昭和五十二年六月八日 喜屋武 眞榮
ハンセン氏病患者国立療養所沖繩愛楽園並びに宮古南静園の職員の増員等に関する質問主意書 ハンセン氏病患者の療養機関である沖繩愛楽園並びに宮古南静園は、戦争による悲惨な状況の中から、患者自らが立ち上がつて独自の園建設をして来た。そして本土復帰に際しては、施設設備、医療職員等が本土並みに引き上げられるものと大きな期待を寄せていた。しかし、復帰五年を経た現在も、医師、看護婦等医療職員の極度な不足、施設設備の不備等、依然として本土との格差は大きいのが実情である。ところで、本土においては戦後いち早く園の施設設備の充実、治療技術の完璧等が期せられ、ハンセン氏病患者は年々減少傾向にある。それに対し沖繩では、新患者が発生する傾向にあること、これまで在宅治療をしていた患者が近年希望して入園をする者が増えていること及び本土で治療していた沖繩県出身の患者が沖繩愛楽園等に戻りつつあることによつて、むしろ収容患者数は増加の傾向にある。したがつて、園の施設設備の充実強化や職員の増加を図らねばならない。
一 沖繩愛楽園は、患者数六八〇人(満床)であるが、本土の、これと類似した規模の青松園(患者数五二三人)と比較した場合、職員数において以下のような格差がある。 (1) 医長は、青松園定員五人(現員四人)に対して、愛楽園は定員一人(現員一人)である。
二 宮古南静園は、患者数二六〇人で定員を二〇人超えているが、医療職(一)は園長、医務課長がそれぞれ一人いるのみで、医師(定員一人)がいない。愛楽園においても、医師定員三人に対して一人しか現員がいない。患者の十分な治療を行うためには、早急に定員をみたすことが必要であると考えるが、いつまでに定員をみたす計画であるか伺いたい。
三 沖繩二園の施設設備の状況を早急に本土並みに改善するためには、現在の施設整備費の配分方法を改め、できるだけ多くの整備費を沖繩二園に配布する必要があると思うがどうか。 四 全国の視力障害のあるハンセン氏病患者に対しては、失明、知覚マヒ、機能障害等を併せもつていることにかんがみ、 (1) 教養文化費を大幅に増額する
安心して療養生活ができるよう配慮すべきであると思うが、これらに関する国の考え方を示されたい。 右質問する。 |