質問主意書

第80回国会(常会)

質問主意書


質問第二二号

陸上幕僚監部第二部別室・美保通信所(鳥取県境港市)の拡張に関する質問主意書

右の質問主意書を国会法第七十四条によつて提出する。

  昭和五十二年五月二十三日

加藤 進   


       参議院議長 河野 謙三 殿


   陸上幕僚監部第二部別室・美保通信所(鳥取県境港市)の拡張に関する質問主意書

 一昨年(一九七五年)五月、衆議院の内閣委員会でわが党の中路議員が、ソ連、朝鮮、中国の陸、海、空、一般の電波傍受を任務とする陸上幕僚監部第二部別室が管理する全国七通信所のひとつ、鳥取県境港市にある美保通信所の全容を暴露し、住民は大きなショックを受けている。この美保通信所では現在大がかりな増設工事がすすめられており、住民のあいだで不安が高まつている。
 そこで以下の点について政府に伺いたい。

一 二月二十六日のNHKが(1)全国に七カ所ある通信所を美保と千歳の二カ所に整備統合する(2)新しい施設はエレファント・ゲージ(象のオリ)とよばれ、那覇や三沢の米軍施設とおなじもので工事費は約三十億円である(3)全方向の微弱な電波もとらえることができ、陸、海、空、一般などあらゆる電波受信が可能であると報道したが、この内容は事実かどうか。その整備統合の計画内容を具体的にしめされたい。

二 鳥取県境港市の三月定例市議会でわが党の明石孝男市議の質問にたいし、市当局は防衛施設庁の回答だとして(ア)現在の老朽化した施設を更新するもので合理化、近代化であり拡張ではない。また、美保と千歳に集約する計画はなく、七カ所は存続していく(イ)施設は高さ三十六メートルの鉄塔を三十六基、半経七十五メートルの円筒に並ぶ形となる(ウ)五十一年度の工事は約八億円で、五十二年度以降の計画について詳細はきいていないが総工事費は約十四億円が見込まれる--などと答えているが、これと前項の計画との関連を明らかにされたい。

三 美保通信所に勤務する隊員及び職員の数及び階級を、陸、海、空別に明らかにされたい。

四 現在ある通信所施設と新規に工事中の通信施設との間を通つている道路を廃止する計画があるかどうか明らかにされたい。

  右質問する。