質問主意書

第77回国会(常会)

答弁書


答弁書第一七号

内閣参質七七第一七号

  昭和五十一年五月二十五日

内閣総理大臣 三木 武夫   


       参議院議長 河野 謙三 殿

参議院議員志苫裕君提出原子力発電所建設計画についての公聴会に関する質問に対し、別紙答弁書を送付する。


   参議院議員志苫裕君提出原子力発電所建設計画についての公聴会に関する質問に対する答弁書

一について

 原子力委員会が、これまで検討を進めていた原子力シンポジウムは、我が国のエネルギー供給における原子力の役割、安全性の問題等原子力開発利用上の主要な事項に関し、科学者、専門家が科学的立場から、自由かつ公正に意見交換を行い、今後の原子力平和利用の健全な発展に寄与しようとするものであり、原子力発電所の安全審査に関連して、開催しようとするものではない。
 原子力委員会は、本原子力シンポジウムを、日本学術会議の協力を得て開催するとの方針のもとに、昨年九月以降、同会議の同意を得て、両者間に「原子力シンポジウム連絡会」を設け、七回にわたり検討を重ねてきたが、最近にいたり、日本学術会議において、本件協力について種々意見があるやに伝えられており、本連絡会は中断している。
 しかしながら、原子力委員会としては、原子力シンポジウムをできるだけ早期に開催することが望ましいと考えており、鋭意その具体化について、検討を進めているところである。

二について

 原子力シンポジウムは、一に述べたとおり、科学者、専門家が科学的立場から、自由かつ公正に意見交換を行い、今後の原子力平和利用の健全な発展に寄与することを目的としており、「公聴会」は、昭和四十八年の原子力委員会決定による「原子炉の設置に係る公聴会開催要領」に基づき、地元住民の意見を聴取し、これを安全審査に反映させることを目的としている。
 従つて、「原子力シンポジウム」と「公聴会」とはおのずと性格、目的を異にするものである。

三について

 新潟県における公聴会の開催は、地元事情等を勘案しつつ、できるだけ早期に実施する方向で検討中である。

四について

(イ) 意見陳述者の人選にあたつては、できるだけ多方面の意見を効率的に聴取するよう努めてまいりたい。
(ロ) 公聴会の開催日数については、おおむね二日程度としたい。
(ハ) 意見聴取を目的とする公聴会制度の趣旨にかんがみ、一問一答形式は採用しない。しかしながら、できる限り、陳述意見に係る開催者側としての説明・見解表明を行う等の改善を図つてまいりたい。
(ニ) 傍聴人の取扱いについては、具体的な会場の収容能力等を勘案して、決定することとしたい。なお、会場等の都合により傍聴人の数を制限する必要がある場合には、抽選等の方法により公正な取扱いをしてまいりたい。

五について

 公聴会の開催の決定に当たり、その実施に関し、事前に、地元とも十分連絡相談の上、円滑な実施を図るべく努力してまいりたい。