第77回国会(常会)
答弁書第一五号
内閣参質七七第一五号 昭和五十一年五月十八日 内閣総理大臣 三木 武夫
参議院議員秦豊君提出原子力行政に関する質問に対し、別紙答弁書を送付する。 参議院議員秦豊君提出原子力行政に関する質問に対する答弁書 一について 電気事業法第二十九条の規定に基づき電気事業者から通商産業大臣に届け出られた昭和五十一年度電力施設計画によれば、五十一年度及び五十二年度の新規着手予定原子力発電所は、それぞれ五基(三八〇万キロワット)、九基(八九〇万キロワット)、合計十四基(一、二七〇万キロワット)であり、その概要は別表第一のとおりである。
二について 昭和五十一年度一般会計原子力関係予算の総額は九九、四〇四百万円であるが、その主な内訳は、原子力の安全確保のための研究開発一五、四〇〇百万円、ウラン探鉱、濃縮技術の研究開発、使用済核燃料の再処理等の核燃料サイクル確保のための施策二三、五七四百万円、新しい動力炉の開発三六、六九四百万円、核融合の研究四、三一一百万円等である。 (注) 新しい動力炉の開発三六、六九四百万円の中には、安全研究等のための経費四、三三〇百万円が含まれている。 日本開発銀行の昭和五十一年度の原子力開発関係融資としては、五〇〇億円程度を予定しており、その融資先は、日本原子力発電株式会社、電力会社等となろう。 三について 昭和四十九年度における原子力発電の設備出力は三八九万キロワット、発電電力量は一九七億キロワットアワーで、一次エネルギー供給に占める比率は一・三パーセントであつた。
四について 昭和五十年一月から五十一年四月の間に電気事業法に基づき報告のあつた故障及び事故は、別表第二のとおりである。 五について 一昨年及び昨年、一部の原子力発電所において臨時点検のための停止や故障、トラブルによつて稼働率が計画よりかなり低下したことは、事実である。
六について 我が国の原子炉の安全審査は、原子力委員会設置法に定めるところに従い、原子力委員会からの指示に基づいて原子炉安全専門審査会が調査審議を行うこととなつている。 ○審査委員 非常勤で三十名(昭和五十一年五月十一日現在)
この審査会を補佐させるため、原子力安全局原子炉規制課に安全審査官等を配置している。 ○安全審査管理官 五名
また、電気事業法に基づく許認可に係る審査を実施するため、資源エネルギー庁原子力発電課に安全審査官を配置している。 ○統括安全審査官 一名
以上の安全審査関係のスタッフのほかに、原子力施設の安全規制全般のために所要のスタッフを配置し、安全の確保に努めている。
○データ解析、審査コード開発等 四十七名
なお、日本原子力研究所においては、ほかに安全審査等に資するため、軽水炉の安全研究がなされている。 ○軽水炉安全研究 百七十一名
外国においては、現在各国とも安全審査体制を強化する機運にある。その際米国の例が参考として引き合いに出されているが、米国の場合は原子力発電開発規模が我が国と比較して非常に大きい等の事情が異なるため、これと日本の体制とを一概に比較することは困難である。
七について 別表第三のとおりである。 別表第1 原子力発電所の着手決定予定地点一覧表 (昭和51年度電力施設計画による。) 別表第2 原子力発電所の事故一覧表(昭和50年1月~51年4月) 1/2 |