質問主意書

第77回国会(常会)

質問主意書


質問第一九号

円の国際化および日韓経済関係についての質問主意書

右の質問主意書を国会法第七十四条によつて提出する。

  昭和五十一年五月二十日

秦 豊   


       参議院議長 河野 謙三 殿


   円の国際化および日韓経済関係についての質問主意書

 最近、円の国際化に関する論議が高まつてきているが、国際経済、とりわけアジア発展途上国に与える日本経済の影響力を考える時、この問題に対し、重大な関心をはらわざるをえない。
 以下、質問する。

一 先項、政府は、円貨をアジアの資産通貨とするため、関係諸国にその意向を打診したと云われるが、その事実を明らかにされたい。

二 最近政府は、韓国をはじめとするアジア諸国の国債など、外債を対象とした円建て外債を発行することとし、その具体的方策に着手したと云われるが、その事実を明らかにされたい。

三 日本国内での円建て外債発行の規制措置を緩和するのに伴い、各国から約一〇〇件、総額一兆円もの公債発行申請があつたと伝えられるが、その事実を明らかにされたい。

四 政府は、インドネシア及びフィリピン中央録行に対する日本の市中銀行団の協調融資を、ドルから円にするよう要請したと云われるが、その事実を明らかにされたい。

五 又、その要請は、韓国に対しても行われたのか。

六 韓国では、早急に円貨を一六番目の指定通貨とするため検討中であるときくが、その事実はどうか。また、いつごろ現実化する見通しか。

七 一九七五年七月に開催された国際復興開発銀行主催の対韓協議グループの留意事項及び韓国の第四次経済開発五カ年計画(七七年~八一年)によれば、韓国は七〇年代後半に毎年二〇億ドルの外資導入を必要とすると考えられている。
 そこで、この二〇億ドルの所要外資のうち、日本の借款は、七七年以降、年々どの程度にのぼるものと政府は考えているか。

八 韓国が円を指定通貨とした場合に、日本の対韓商業借款は、円借款に比重を移して行くと考えられるが、その見通しはどうか。

九 一九七六年一月に開催された日韓経済協力実務者会議の構成員の氏名と職名を明らかにされたい。

一〇 日本から韓国への政府借款については、請求権資金有償二億ドル及び、一九七一年に始まり現在までに八六〇億円強の貸付実績を持つと云われる対韓有償経済協力が行われている。
 そこで、それらの償還につき、これまでの償還実績及び今後の償還計画を、元本と利息を区分して、年度毎に明らかにされたい。

一一 日韓条約締結以来の、日本から韓国への商業借款につき、元利償還実績及び今後の元利償還計画を、元本と利息を区分して、年度毎に明らかにされたい。

  右質問する。