質問主意書

第76回国会(臨時会)

答弁書


答弁書第二二号

内閣参質七六第二二号

  昭和五十年十一月二十一日

内閣総理大臣 三木 武夫   


       参議院議長 河野 謙三 殿

参議院議員秦豊君提出陸上自衛隊第一空挺団に関する質問に対し、別紙答弁書を送付する。


   参議院議員秦豊君提出陸上自衛隊第一空挺団に関する質問に対する答弁書

一、について

 第一空挺団は、隊員数約一、三五〇人で、団本部、普通科群、特科大隊等から成る。

二、について

 第一空挺団長陸将那須明(大正九年一一月二五日生・五五歳)の経歴は、次のとおりである。

本籍  栃木県
昭和一五年九月  陸軍士官学校(五四期)卒業
同 一九年三月  陸軍大尉
同 二七年九月  警察予備隊入隊 一等警察士
同 三四年八月  二等陸佐
昭和四一年一月  一等陸佐
同 四一年三月  陸上幕僚監部第五部普通科班長
同 四三年三月  第一空挺団副団長
同 四五年三月  陸上幕僚監部幕僚庶務室庶務班長
同 四七年三月  陸上幕僚監部監察官
同 四七年七月  陸将補
同 四八年三月  第一空挺団長
同 五〇年七月  陸将

三、について

 空挺訓練生となるためには、所定の体力検査、身体検査及び適性検査に合格することが必要であり、更に陸曹については三五歳以下、陸士については二七歳以下の年齢制限をしている。
 各検査の基準は、幹部、曹、士共通であるが、一般隊員に比べて、身長、走力、肺活量、懸垂力、情緒安定性等において厳しい制限がある。

四、について

 空挺隊員として勤務するには、基本降下課程及び降下長課程から成る空挺基本訓練課程を修了することが必要である。
 なお、空挺基本訓練課程を修了した一部の者に、更に高度の技能、知識を付与するために、レンジャー課程(空挺)及び自由降下課程を置いている。

(1) 基本降下課程の期間は、約五週間であり、地上準備訓練及び降下訓練を主として教育している。
(2) 降下長課程の期間は、約三週間であり、落下さんの整備、地上準備訓練及び降(投)下訓練を主として教育している。
(3) 幹部についてのレンジャー課程の期間は、約九週間であり、指揮運用、山地潜入及び地図判読を主として教育している。
(4) 陸曹についてのレンジャー課程の期間は、約七週間であり、行動訓練、山地潜入及び地図判読を主として教育している。
(5) 自由降下課程の期間は、約六週間であり、降下訓練、地上準備訓練及び航空生理訓練を主として教育している。

五、について

 公表すべき性格のものではないので、答弁は差し控えたい。

六、について

 東京地方(関東地方南部)に大震火災が発生した場合の訓練においては、第一空挺団は、東部方面総監の指揮の下に、主として江東地区において救援活動を行うこととしてその訓練を実施した。

七、について

 東京地方(関東地方南部)に大震火災が発生した場合の訓練の想定においては、重要施設又は重要人物等について触れていない。

八、について

 第一空挺団の隊内に「三島研究会」又は「国体研究会」なる研究、活動グループは、現存していない。
 なお、調査の結果、過去にもそういうグループが存在したという事実はないと承知している。