質問主意書

第76回国会(臨時会)

答弁書


答弁書第一九号

内閣参質七六第一九号

  昭和五十年十一月十一日

内閣総理大臣 三木 武夫   


       参議院議長 河野 謙三 殿

参議院議員野末陳平君提出デノミネーションに関する質問に対し、別紙答弁書を送付する。


   参議院議員野末陳平君提出デノミネーションに関する質問に対する答弁書

一、二、四、及び五、について

 政府としては、現在のところデノミネーションの実施について具体的な検討は行つておらず、実施の準備を進めている事実はない。

三、について

 政府の考え方は、次のとおりである。

(1) 我が国の通貨の呼称単位である円のように米ドルに対する換算レートが三けたになつているものは、主要国通貨の中では現在ほとんど見られなくなつた状態であり、適当な機会にデノミネーションを行うことも確かに一つの考え方ではあろう。
(2) しかしながら、デノミネーションの実施については、これが国民に大きな心理的影響を及ぼすことにかんがみ、国民経済が安定し、物価が落ち着いていることが前提であり、デノミネーションが国民に無用の不安を与えることのないよう万全の配慮をする必要がある。
(3) したがつて、現在は、デノミネーションの問題よりは、不況の克服、物価安定の定着等に一層の努力を払うべきときであると考える。