質問主意書

第76回国会(臨時会)

質問主意書


質問第二五号

FX選定作業に関する再質問主意書

右の質問主意書を国会法第七十四条によつて提出する。

  昭和五十年十一月二十九日

秦 豊   


       参議院議長 河野 謙三 殿


   FX選定作業に関する再質問主意書

 FX選定作業に関する私の質問主意書に対し内閣は十一月二十五日付をもつて一応の答弁を送付して来た。しかしその最も肝要な条項をめぐる答弁は意図的にポイントをすりかえたきわめて不誠実且つ不充分な内容でしかない。私はこれを不満としここに重ねて再質問主意書を提出することにした。今回こそ質問を正しくとらえた納得のゆく答弁を望みたい。

一、FX選定に当つての重要なファクターである「情報見積り」について私が質問したのは「ことばの解釈」や「定義」などではない。あくまでもその内容、データそのものを聞いている。内閣はFX選定に当つての“情報見積り”は「一般的な航空に関する科学技術のすう勢、我が国周辺諸国の航空兵力の推移等を見積つたもの」としているがFXが配備される一九八〇年の時点で防衛庁側が推定し、見積つている関連或いは対象航空機の性能と勢力はどのようなものか。

二、答弁書に云う「我が国周辺諸国の航空兵力」とはソ連邦、中華人民共和国、朝鮮民主主義人民共和国の三ケ国を意味するのか。それとも内実はソ連邦一国なのか。ORに当つてはどう処理しているのか。

三、先の質問主意書の(六)を参照されたい。(六)に於ては前回F4ファントム選定時の「情報見積り」と今回とではどこがどう違つているのかを聞いている。内閣の答弁書はそのポイントを完全にぼかしているではないか。答弁書で述べている「この点についてはF4選定の際の“情報見積り”も同様である」と云うのは単に“情報見積り”の手順又は定義のみを指しているのではないか。

四、F4EJ選定当時と現在とで“情報見積り”内容に差異があり、新型戦闘機を必要とする事態になつていると云うならばその差異、必要性を具体的に示してもらいたい。又双方(前回と今回)の“情報見積り”に何の差異もないと云うのならばそもそもFXなどは不必要ではないか。

五、答弁書によると稻田班の報告書は予定どおり十月末に航空幕僚長に提出され、内部部局においても十一月中旬報告を受けた模様だがしからばその報告の内容を明らかにされたい。

六、又研究作業の成果に基づき、来年初めまでに、候補機種を数機種に絞る予定とあるがそれは誤りで「二、三機種にしぼる」のではないか。

  右質問する。