質問主意書

第76回国会(臨時会)

質問主意書


質問第八号

身体障害者の大学への進学の保障に関する質問主意書

右の質問主意書を国会法第七十四条によつて提出する。

  昭和五十年十月六日

峯山 昭範   


       参議院議長 河野 謙三 殿


   身体障害者の大学への進学の保障に関する質問主意書

 近年における科学技術の著しい発展と社会経済の複雑・高度化を背景として、わが国の高等教育の量的拡大は目覚ましく、昭和四十九年度における大学等への進学率は三四・七パーセントにのぼつており、今後一層増大することが予想されている。
 ひるがえつて、身体に障害を持つ人たちの高等教育機関への進学の状況をみると、これらの人たちを受け入れる大学等は少なく、その進学率も極めて低い。とくに、重度又は重複の障害を持つ人たちは折角能力があつても、教育条件の整備の遅れから、大学等への進学の道を閉ざされているのが現状である。
 最近高まりつつある身体に障害を持つ人たちの高等教育の機会均等への欲求にこたえ、これらの人たちの高等教育を受ける権利を保障することは国の義務であり、障害者の教育を真に保障しない国家は、福祉国家を名乗り、教育の普及をとなえる資格はないといわなければならない。
 そこで、左の点につき、政府の見解を伺いたい。

一、身体障害者の高等教育の機会の保障実現に関する政府の基本的な態度・方針はどうか。

二、身体障害者の大学等への入試・進学の状況は、国公私立別にどうなつているか。

三、身体障害者の高等教育の機会を拡大するため、現在どのような対策を講じているか。

四、身体障害者の大学等への進学の保障を実現するためには、専門の教職員の充実、施設設備の整備、授業や試験のための特別の対策等が必要であり、多額の経費を要する。したがつて、個々の大学の自主的努力だけで対処できる問題ではなく、国が抜本的な対策を講ずる必要があるが、今後の具体的計画を示されたい。

  右質問する。