質問主意書

第75回国会(常会)

答弁書


答弁書第一一号

内閣参質七五第一一号

  昭和五十年六月二十日

内閣総理大臣 三木 武夫   


       参議院議長 河野 謙三 殿

参議院議員辻一彦君提出山崎機械・松井商工の労使紛争に関する質問に対し、別紙答弁書を送付する。


   参議院議員辻一彦君提出山崎機械・松井商工の労使紛争に関する質問に対する答弁書

一、について

 株式会社山崎機械(以下「会社」という。)は、経営悪化を理由に、昭和五十年二月二十日付けで、従業員十二名の指名解雇を行い、総評全国金属労働組合福井地方本部山崎機械支部(以下「支部」という。)との間で、この指名解雇に係る退職金の支払い条件等をめぐる話合いがつかないままに、同年三月末に倒産し、同年三月三十一日付けで残りの従業員全員(十四名)を解雇した。
 支部等は、支部組合員に対する解雇等は不当労働行為であるとして、会社及び会社と取引関係のあつた株式会社松井商工(以下「松井商工」という。)を被申立人として、二件の不当労働行為救済申立てを行つたと聞いている。

二、について

 松井商工は、会社に対し機械及び部品を発注していた企業であるが、現在は、会社の一債権者であると聞いている。

三、について

1 労働委員会に対する不当労働行為救済申立てについては、支部等から、昭和五十年四月に、東京都地方労働委員会に対して、同年六月には、福井県地方労働委員会に対して、それぞれ、会社及び松井商工を被申立人として、団体交渉拒否問題及び支部組合員の解雇問題に関して不当労働行為救済申立てが行われ、現在、両事件とも関係地方労働委員会に係属中であると聞いている。
2 裁判所に対する仮差押え申請については、会社の元従業員二十六名から、昭和五十年四月一日に、福井地方裁判所に対して、有体動産仮差押え申請が行われ、同地方裁判所は、同月十一日に申請を認める旨の決定を行つたと聞いている。
3 労働基準監督署に対する申告については、支部組合員から、昭和五十年三月及び五月に、会社において労働基準法第二十三条及び第二十四条の違反の事実があるとして、所轄労働基準監督署に対し申告が行われ、現在、所轄労働基準監督署において調査中である。

四、について

 支部組合員から所轄労働基準監督署に対して行われた申告について、所轄労働基準監督署が、その受理を拒否した事実はない。

五、について

 人権侵犯事実に関する申告については、支部組合員二名が、昭和五十年三月三十一日に、福井地方法務局に会社及び松井商工を相手方とする申立書を持参したが、同地方法務局で、同日、右両名から事情を聴取したところ、具体的な人権侵犯の事実の申立てではなく、退職金等の支払いを得るため、法律的に採り得る措置について教示を求める旨の申立てであつたので、所要の助言をし、援助として処理した。

六、について

 政府としては、関係当事者の自主的解決への努力を期待するとともに、労働関係法令に違反すると認められた場合には、関係行政機関において、監督指導を実施する等所要の措置を講ずる所存である。