質問主意書

第75回国会(常会)

答弁書


答弁書第一〇号

内閣参質七五第一〇号

  昭和五十年六月六日

内閣総理大臣 三木 武夫   


       参議院議長 河野 謙三 殿

参議院議員喜屋武眞榮君提出沖繩県の文教施設整備等の格差是正に関する質問に対し、別紙答弁書を送付する。


   参議院議員喜屋武眞榮君提出沖繩県の文教施設整備等の格差是正に関する質問に対する答弁書

一、三、及び七、について

 政府は、沖繩県の公立文教施設、社会教育施設の現状にかんがみ、その整備を促進するため、補助率、補助単価等について、沖繩県の特殊事情を考慮しつつ、特段の配慮をしているところであるが、今後とも沖繩県の実態に応じ、これらの施設整備を推進してまいりたい。
 また、社会体育施設整備については全国的な社会体育施設整備の一環として、沖繩県についても検討することとしたい。

二、及び四、について

 危険校舎等の改築、幼稚園園舎の新増築に対する補助率を小中学校の校舎等に係る新増築の補助率と同様に考えることは困難である。
 なお、公立幼稚園職員の給与について、その一部を国庫で負担する考えはない。

五、について

 沖繩県における交通安全施設の整備については、同県の復帰に伴い特定交通安全施設整備事業五箇年計画を変更して沖繩県の区域内における必要な事業をこれに組み入れ、その整備の積極的な推進を図つている。同計画の事業実施に当たつては、児童・生徒を交通事故から守るため、通学路の安全施設の整備に重点を置き歩道等の整備、信号機等の設置を強力に推進している。特に他県では単独事業とされている道路標識・道路標示の設置に関する事業について沖繩県においては、補助対象事業としてその整備を図つているところであり、今後ともその整備の促進を図つてまいりたい。

六、について

 混血児に対する社会福祉対策としては、児童相談所等において混血児をかかえる家庭の相談に応ずるとともに、実情に応じて必要な指導を行うほか、保護を必要とする児童については養護施設等への入所措置を講じている。
 また、今国会における法改正により、児童扶養手当及び特別児童扶養手当についても、児童手当と同様に、児童の国籍要件を撤廃し、日本国籍を有しない児童の福祉の向上を図ることとした。
 次に、年金給付については、このような児童が厚生年金又は、国民年金の遺族年金等の受給権者となることが考えられるが、いずれの場合も国籍を受給要件とはしていない。更に、国民健康保険については、外国人に対しても市町村の条例で適用できることになつており、沖繩県内では、既に沖繩市において条例の制定をみているところであるが、日本国籍を有しない児童のいる他の市町村においても、条例の制定の準備が進められているところである。

八、について

 沖繩県における県立総合文化センターの建設に対する補助については計画内容の具体化をまつて検討したい。

九、について

(1) 昭和四十九年度を初年度とする現行の第四次教職員定数等改善五箇年計画において、へき地等に所在する小規模校の複式学級の学級編制の改善措置を講じてきているところであり、この年次計画の完全実施に努力することとしている。
(2) 現在の共済制度は社会保険制度の一環として行われているものであり、へき地勤務年数を加算するように年金上の勤務年数を改めることについては、他に全く例もなく御趣旨に沿いかねる。

一〇、について

 沖繩県における学校給食用物資の無償給与措置の延長については、他の経済的援助に関する特別措置の取扱いとの関連において、慎重に検討したい。

一一、について

 私立学校の教育条件の向上及び経営の健全化を図ることは、沖繩県所在の私立学校のみならず、我が国私立学校全般を通ずる問題である。
 国は、昭和五十年度私立大学等経常費補助金の大幅な拡充を図るとともに、新たに私立高等学校等経常費助成費補助金を設け、都道府県の私立高等学校等に対する経常費補助を拡充することとしている。