第75回国会(常会)
答弁書第二号
内閣参質七五第二号 昭和五十年一月三十一日 内閣総理大臣 三木 武夫
参議院議員小平芳平君提出砒素汚染に係る農用地の土壌改良等に関する質問に対し、別紙答弁書を送付する。 参議院議員小平芳平君提出砒素汚染に係る農用地の土壌改良等に関する質問に対する答弁書 一、について 砒素による土壌汚染の実態については、砒素が特定有害物質として指定されたのち、砒素に係る土壌汚染対策細密調査の実施により、明らかにされるものであるが、現在までに、国及び都道府県が実施した各種の土壌汚染調査の結果等から推定すると、砒素による土壌汚染のおそれのある農用地面積は、全国で、おおむね数百ヘクタール程度と推定される。 二、について 砒素は、土壌中に高濃度で存在することによつて植物に悪影響を及ぼすと考えられている。
三、及び四、について 農用地の土壌の汚染防止等に関する法律に基づく特定有害物質として砒素を指定するに当たり、同時に砒素に係る農用地土壌汚染対策地域の指定要件を定める必要があるので、当該指定要件はいかにあるべきかについて、現在、中央公害対策審議会において、検討願つているところであり、近く、答申が得られる見込みであるので、これを受けて、早急に農用地の土壌の汚染防止等に関する法律施行令の改正を行い、砒素を特定有害物質として指定するとともに、農用地土壌汚染対策地域の指定要件を定めることとしている。 五、について 農用地の土壌の汚染防止等に関する法律に基づき、砒素が特定有害物質として指定され次第、可及的速やかに、都道府県知事に対して、土壌汚染対策細密調査を実施し、農用地土壌汚染対策地域の指定及び対策計画の策定を行うよう指導するとともに、必要な土地改良事業が円滑に実施されるよう指導したい。 六、について 食品中における砒素の天然に含有される量については、厚生省において昭和四十九年度から穀物等の食品を対象に、八道県に委託して実態調査を行つているところであり、この調査は昭和五十年度まで継続して実施する予定である。
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