質問主意書

第75回国会(常会)

答弁書


答弁書第一号

内閣参質七五第一号

  昭和五十年一月十七日

内閣総理大臣 三木 武夫   


       参議院議長 河野 謙三 殿

参議院議員喜屋武眞榮君提出疎開船対馬丸遭難死没者の処遇に関する質問に対し、別紙答弁書を送付する。


   参議院議員喜屋武眞榮君提出疎開船対馬丸遭難死没者の処遇に関する質問に対する答弁書

一、について

 戦傷病者戦没者遺族等援護法による援護は、国との一定の使用関係のあつた者又はそれに準ずる者に対し、使用者としての国が国家補償の精神に基づき行つているものであるが、対馬丸遭難による死没者は、学童疎開の途中で被災したものであつて、国との間に前記のような身分関係があつたとは認められず、戦傷病者戦没者遺族等援護法の処遇対象とする考えはない。
 また、政府は、疎開学童及び引率教師の遺族に対しては、昭和三十七年に、疎開学童の付添者の遺族に対しては昭和四十七年に、見舞金を支給し措置済みであると考えている。

二、について

(1) 沈没艦船中の遺骨の引上げについては、技術的に引上げ可能なものは船体とともに引上げを行つているが、対馬丸の沈没したとみられる箇所は水深八百メートル以上あり、引上げは技術的に不可能である。
(2) 全国の戦争犠牲者の追悼のため、毎年政府主催による全国戦没者追悼式を行つているところである。