質問主意書

第75回国会(常会)

質問主意書


質問第一五号

電業社の労使紛争に関する質問主意書

右の質問主意書を国会法第七十四条によつて提出する。

  昭和五十年六月二十三日

青木 薪次   


       参議院議長 河野 謙三 殿


   電業社の労使紛争に関する質問主意書

 東京都大田区大森北一丁目五番一の三〇九に本社を置く株式会社電業社機械製作所(以下会社という)三島工場(三島市緑町一〇-二四)の労使紛争について質問する。

一、会社三島工場の労働組合(全国金属労働組合静岡地方本部電業社支部、以下支部という)が昭和四十八年三月、全国金属労働組合(以下全金という)に加入してから、会社から再三にわたつて、不当労働行為などによる団結権の侵害が行われ、会社が謝罪文を提出するという労使紛争が続いているが、特に本年に入り、その紛争が激化しているが、その経過と現状について示されたい。

二、会社は、会社管理職などを通じて、組合員に日付のない退職願・組合脱退届を集めたといわれているが、このような行為は、労働組合法・労働基準法並びに職安法に違反していると思うが、政府の見解を示されたい。

三、会社は、支部との労働協約第十九条で、「会社は、争議行為の期間中、争議を阻害する他の如何なるものとも労務供給の契約をしない」と現示されているが、本年六月十六日、会社は警備課なるものを発足させ、暴力ガードマン十数名を雇用し、組合員に暴力的言動をもつて組合活動を妨害している。このことについて、政府・労働省の見解を示すとともに、このガードマンはどのようなところから雇い入れたのか明らかにされたい。あわせてこの雇い入れが労働法規に違反しているのかどうか、その見解を示されたい。

四、支部・全金が東京都労働委員会・静岡県労働委員会などに、不当労働行為の申し立て又は斡旋を申請したといわれているが、その内容・進行・現状について明らかにされたい。

五、会社の行為は人権侵害にあたる、と静岡県三島市人権擁護委員会が調査に乗り出していると聞いているが、その内容と処理状況を示されたい。

六、会社は、東京都・埼玉県・大阪府など公共関係事業との取引きを行つているといわれているが、このような会社で不当労働行為・基準法違反などの労働法規に違反した事実が明らかになつた時は、政府として如何なる処置を示すのか明らかにされたい。

七、会社と支部・全金とは本年三月五日以降団体交渉がもてないので、春闘問題も解決不可能の実情にあると聞いている。労使が如何なる紛争が生じても、交渉なくして解決は望まれないと思うが、どちらが団体交渉を拒否しているのかその事実を示されたい。
 あわせてこの労使紛争について政府・労働省は如何なる解決に努力されるのか、その見解を示されたい。