質問主意書

第75回国会(常会)

質問主意書


質問第四号

カネミ油症患者の救済に関する質問主意書

右の質問主意書を国会法第七十四条によつて提出する。

  昭和五十年二月十四日

小平 芳平   


       参議院議長 河野 謙三 殿


   カネミ油症患者の救済に関する質問主意書

 昭和四十七年七月十一日に私の提出した同趣旨の質問主意書に対し、同月十八日に政府の答弁があつた。しかるに約二年半を経過した今日においても、油症患者に対する救済は殆んど進んでいない。
 政府はこの問題に対して、どのように対策を進めてきたのか。また今後どうする考えか、具体的に示されたい。

一 治療の研究

(1) 油症事件発生いらい、政府は病状の実態のは握、治療法の研究等のために、どのような施策を講じてきたか。年度別の予算額とともに明示されたい。
(2) カネミ油症を難病対策に指定して、研究を推進するかのように伝えられていたことがあつたが、どうしていまだに特定疾患の対象にしないのか。理由を明示されたい。
(3) PCBによる健康被害が、骨、内臓にまで及んでいるかどうか。被害者の出産した児にどのように影響があらわれているか、具体的に明らかにされたい。

二 認定基準、認定機関の再検討

(1) 前回の答弁で「診断基準についても再検討を加える」としているが、どのように検討したか。そしてその結果、被害者の納得のいく認定作業が進められていると考えているか。
(2) 事件発生いらい、被害者として認定された患者数を、年度別、県別に示されたい。
(3) いまなお、被害を受けたといいながら、認定されていない患者数が、何人くらいいると推定するか。各県別に示されたい。

三 救済措置

(1) 前回の政府答弁によれば、公害認定は困難だといい、公害に準じた救済措置を講ずることは慎重な検討が必要としている。その後どのように検討が進められてきたか。
(2) カネミ油症のような場合には、発生源企業がその責任を負うのは当然のことであるが、被害者は生活に困窮しながら、しかもその救済対策は一向に進んでいない。このように救済の進まないのに対し、政府は今日まで何をしてきたか。また今後どうしようとするのか。

  右質問する。