質問主意書

第74回国会(臨時会)

答弁書


答弁書第八号

内閣参質七四第八号

  昭和四十九年十二月二十七日

内閣総理大臣 三木 武夫   


       参議院議長 河野 謙三 殿

参議院議員辻一彦君提出農林水産業の基盤整備事業資金の金利に関する質問に対し、別紙答弁書を送付する。


   参議院議員辻一彦君提出農林水産業の基盤整備事業資金の金利に関する質問に対する答弁書

一、について

 食糧の安定的供給の確保を図るためには、食糧の自給力を高めていくことが基本であると考えている。
 このような観点から、長期的視点に立つた農産物需要の展望と生産目標について、現在、農政審議会に検討をお願いしているところである。

二、について

(一) 国民食糧の安定的な供給を確保するためには、我が国農業の生産体制を整備し、食糧の自給力を高めていくことが基本的に重要であると考える。このため、昨年五月に策定された土地改良長期計画においては、農業機械化のための基盤を整備し、高能率農業の早急な展開を図ること等を目的として、昭和四十八年度以降の十か年間におおむね十三兆円に相当する事業を実施することとしている。政府としては、この土地改良長期計画に従い、今後の農業発展の方向に即応した基盤整備事業の推進に努めてまいりたい。
(二) 森林は、木材の生産のみならず、自然環境や国土の保全、水資源のかん養、農山村の振興等に重要な役割を果たしている。この森林資源充実のための造林事業については、補助制度や農林漁業金融公庫の制度融資等を通じ、従来からその推進に努めてきたところであるが、近年の森林、林業をめぐる諸情勢の変化や、森林資源充実に対する国民的要請の増大に即応して、今後とも、その推進を図つてまいりたい。
(三) 我が国の水産業については、それが動物性たん白質食糧の供給源として重要な役割を果たしていることにかんがみ、その積極的な振興を図る必要がある。このため、水産業の基盤である漁港の整備を特に促進することとし、昭和四十八年三月第七十一回国会の承認を受けて改定された第五次漁港整備計画に基づき、水産行政の最重点事項の一つとして、その推進を図つているところである。

三、について

 公庫等政府金融機関の貸出利率については、資金運用部資金の貸出利率の引上げに伴い、他の関係政府金融機関資金及び農林漁業金融公庫の一部資金について既に金利の引上げが実施されたところであるが、農林漁業金融公庫から貸し付けられる農林水産業基盤整備資金についても、長期的かつ計画的に行わなければならないという基盤整備事業の性格を勘案の上、他の農業近代化資金等の農林漁業金融の金利体系をも考えあわせ慎重に検討してまいりたい。