質問主意書

第74回国会(臨時会)

質問主意書


質問第五号

在沖繩米軍基地関係の地籍問題に関する質問主意書

右の質問主意書を国会法第七十四条によつて提出する。

  昭和四十九年十二月十八日

喜屋武 眞榮   


       参議院議長 河野 謙三 殿


   在沖繩米軍基地関係の地籍問題に関する質問主意書

一、政府は、在沖繩米軍基地及びすでに返還された地域の地籍調査を実施しているところであるが、現在までの調査状況(調査対象・面積・パーセンテージ)を詳しく、明らかにされたい。また、今後の調査計画はどうなつているか。

二、調査の実施機関はどこか。民間委託ですすめているのか。

三、沖繩における地籍混乱のもつとも大きな原因は、米軍の強引な基地建設による原形破壊等にあり、基地提供を許した政府の責任は免れない。したがつて、地籍確定は政府の責任において完全に処理されるべきだと思うが、どうか。

四、地籍問題を政府と地元が一体となつて解決するために、何らかの協議機関を設置する必要があると思うが、この点、検討されているか。検討されているなら具体的に示してもらいたい。

五、政府は、復帰後返還の軍用地の地籍問題についての所管庁を防衛施設庁にする方針だと伝えられているが、むしろ防衛施設庁は基地確保が主任務とみられるのであつて、跡地の地域開発利用を促進するためには、民意尊重のうえからも当然沖繩開発庁がこれに当り、且つ現在他の省庁で行われている業務も開発庁に一本化すべきだと思うが、どうか。

六、沖繩県企画調整部のまとめによると、すでに返還された地域のうち跡地利用されているもの、これから計画のあるものは両者でわずか十七%であるといわれている。政府は、こうした跡地利用の遅れの原因は何にあると考えるのか。また沖繩の地域開発をすすめる立場からどのように解決していく所存か。

七、基地転用計画については、県及び市町村の策定はもとよりだが、その計画の最大の障害は住民意思を反映しない一方的な「基地のコマ切れ、部分返還」にあり、政府は返還要求にあたつては、地元の転用計画を優先して対米交渉を行うべきであると思うが、どうか。

八、基地返還後、二年たつても地籍が明確にされていない現状を考えると二年間といわれる管理費の支払い期間を、現実に即してさらに延長すべきであると思うが、どうか。

九、米軍は地籍調査上の基地内立入りに消極的であるといわれているが、これまでの立入り状況と、これに対する米軍の態度(許可条件等)はどうか。また、本格的な調査のためにも改めて基地内立入りについて対米折衝を行うべきではないか。

一〇、沖繩開発庁、防衛施設庁など政府の五十年度地籍調査関係予算の概算要求はどうなつているか。また、今後も調査費用はすべて政府負担か。沖繩県で負担する場合があれば、それはどういうケースか。

一一、地籍問題解決の大幅の遅れのなかで、すでに現地の一部においては、政府は故意に解決を長びかせ、自衛隊基地への転用を意図しているのではないかとの不安があるが、政府はこれを明確に否定することができるか。できるとするなら、大幅遅れの原因はどこにあるのか明示してもらいたい。

  右質問する。