質問主意書

第72回国会(常会)

答弁書


答弁書第八号

内閣参質七二第八号

  昭和四十九年三月八日

内閣総理大臣 田中 角榮   


       参議院議長 河野 謙三 殿

参議院議員小平芳平君提出未熟児網膜症の予防及び治療体制に関する質問に対し、別紙答弁書を送付する。


   参議院議員小平芳平君提出未熟児網膜症の予防及び治療体制に関する質問に対する答弁書

一、について

 昭和四十七年度までに行われた未熟児網膜症に関する調査研究の結果、効果のある治療方法として光凝固療法が有効であるとの新しい知見が得られたので、養育医療給付及び育成医療給付の対象疾病に加え、未熟児網膜症の治療の推進を図つてきたところである。

二、三、及び六、について

 未熟児の眼底検査については、その必要性が認められているが、検査方法及び検査の間隔について現在なお研究段階にある。今後、眼底検査方法の改良、開発の推進に努めてまいりたい。また、眼底検査及び未熟児網膜症の治療に当たつては、産科医、小児科医が積極的に眼科医の協力を得るとともに、医療機関相互間で連携をとるよう指導してまいりたい。

四、及び五、について

 小児医療体制の整備については、国庫補助により国立小児病院を中核とした都道府県小児医療センターの整備を推進しているが、光凝固装置についてもその中で整備を進めてまいりたい。

七、について

 未熟児網膜症は、種々の原因による症候群と考えられており、病因についてはなお不明の点が多く、光凝固装置による治療が有効でない症例もある。今後、病因の解明及び予防治療方法の開発について一層研究を推進してまいりたい。
 なお、未熟児網膜症により失明に至つた場合においては、特別児童扶養手当の支給、施設への入所等身体障害児に対する福祉対策の中で措置を講じてまいりたい。

八、について

 未熟児養育医療(未熟児網膜症の治療を含む。)については、公費負担がなされているが、保険負担と公費負担との負担区分については、「健康保険法の規定による療養に要する費用の額の算定方法」によつて算定された医療費の額から、社会保険各法による給付の額を控除した額を公費で負担することになつている。なお、育成医療についても、同様である。