質問主意書

第72回国会(常会)

質問主意書


質問第一六号

大牟田市九・二五爆発赤痢事件に関する質問主意書

右の質問主意書を国会法第七十四条によつて提出する。

  昭和四十九年五月二十五日

内田 善利   


       参議院議長 河野 謙三 殿


   大牟田市九・二五爆発赤痢事件に関する質問主意書

 昭和四十八年四月二十七日、黒柳明君より提出された「大牟田市における通称爆発赤痢に関する質問主意書」に対する内閣の答弁書が出されたのであるが、この答弁書は従来の水道原因説から一歩も前進することなく、かえつて多くの疑問点をいだかせるものである。
 よつて、ここに再度質問主意書を提出するものである。以下質問事項に対し具体的に答弁されたい。

1 政府は、三十六年前に起つた大牟田市の爆発赤痢に関して、水道水が原因であると、黒柳明君の質問に答弁しているが、当時の水道水の菌混入の参考事実となつた城東小学校の学籍簿等の調査を行なつたのか、否か。

イ、その事実関係
ロ、その調査概要とその根拠

2 黒柳明君への内閣の答弁書では厚生省予防局防疫課の見解は、東京医事新誌第三〇七三号(S、13年)に記録されており、これを根拠として答弁したとされているが、昭和四十六年五月二十日の衆院内閣委員会での政府の答弁は「汚染源は正式に発表していない」。また、昭和四十七年三月二十二日の衆院予算委員会の答弁では「汚染源及び汚染原因は確認していない」としている。
 以上のように黒柳明君への答弁書の回答と、それ以前の四十六年、四十七年の国会答弁は、明らかに食い違つている。
 したがつて、政府として、その間に何らかの新たなる調査を行なつた上での答弁の変化であるのか、否か。

イ、何故答弁が違つているのか。
ロ、その間に新たな調査を行なつたのであればその結果

3 政府は、第三源井が発生源であるとしているが、昭和十三年一月十七日の市議会の議事録には、当時の調査委員から「水道が原因であるとは私達は認めていない」との発言が厳然と記録されている。また、昭和十三年十一月二十九日、福岡県議会においても県当局は第三源井が原因であることを否定している。
 このような事実を政府は調査し確認しているか。しているならば、その調査の結果を明らかにせよ。

4 先の黒柳明君への答弁書において、政府は「一般に水道の流水中の細菌は増殖することはないが、当時の厚生省予防局防疫課の見解によると、水源井が本流行を発生させるにたる充分な赤痢菌であつたと推定される」と答弁している。

イ、この発生させる充分な赤痢菌とは、どのような状況をさして言うのか、その根拠
ロ、当時の内務省が発表した赤痢菌異型I(駒込B)は、普通我が国にありふれた毒性の弱い赤痢菌であると言われているが、それについての政府の学問的見解

  右質問する。