質問主意書

第71回国会(特別会)

答弁書


答弁書第一七号

内閣参質七一第一七号
  昭和四十八年八月二十四日

内閣総理大臣 田中 角榮      


       参議院議長 河野 謙三 殿

参議院議員竹田現照君提出灯油の値上げ及び売惜しみの防止対策に関する質問に対し、別紙答弁書を送付する。



   参議院議員竹田現照君提出灯油の値上げ及び売惜しみの防止対策に関する質問に対する答弁書

一、について

 灯油について「生活関連物資の買占め及び売惜しみに対する緊急措置に関する法律」に定める特定物資として早急に指定すべく、準備を進めているところである。

二、について

 国民生活に密接な関係を有する民生用灯油の安定的な供給を確保するため、現在、次のような措置を講じている。
(一) 増産の要請
 最近における灯油の実需のすう勢を考慮して、設備の完成時期の繰り上げ、大幅な増産の要請等を行つている。
(二) 在庫の積み増し
 需要期に入る九月末の灯油の在庫予定量について、その積み増しを図るよう、業界を指導してきている。
 今後の対策として、民生用需要確保のため、地域別の供給体制の常時チエツクを実施することとしている。更に、灯油輸入についても、必要に応じて業界を指導することとしている。
 また、価格に関しては、最近海外原油価格の急激な上昇が続いており、今後ともこうした傾向が継続するものと思われ、これに伴い、わが国における石油製品価格のコストアツプ圧力が一層強まることが予想されるが、灯油値上げが国民生活に与える影響の大きいことにかんがみ、政府としては、極力値上げを抑制するよう業界に対し指導を行つているところである。

三、について

 灯油販売業者と消費者団体との間の問題は、本来、当事者間の交渉にゆだねられる問題であると考てるが、それが通常の商業活動をこえて不当なものとなり、消費者の利益が不当に害されることとなる場合には、販売業者に対し、適切な指導を行つてまいりたい。