質問主意書

第71回国会(特別会)

質問主意書


質問第二〇号

琉球大学医学部設置等に関する質問主意書

右の質問主意書を国会法第七十四条によつて提出する。

  昭和四十八年八月二十三日

喜屋武 眞榮      


       参議院議長 河野 謙三 殿



   琉球大学医学部設置等に関する質問主意書

一、琉球大学への医学部設置問題について

1 政府は、沖縄における医療危機の第一義的原因は何であると考えているか、類似県と比較してその実状を明らかにされたい。
2 沖縄の慢性的な医療問題を解決するためには地元での医師養成以外にないと考える。この観点から、琉球大学への医学部設置問題は「将来の課題」ではなく、直ちに具体化すべき問題だと思うが、政府の計画はどうなつているか。
3 医学部設置の実現のために、仮りに問題となる課題が存在するとするならば、それは何か。また、地元の受け入れ体制で整えるべきことは何か。
4 文部省の医科大学設置調査会・琉大小委員会において設置問題が検討されているとのことだが、どのような角度から協議されているか。また、その結論はいつでるのか。

二、その他の医療対策について

1 沖縄と類似県の医療施設数・ベッド数等の現状を比較して明らかにされたい。
2 県立病院に救急及び地域医療が集中し、その施設・人事面で大きな支障をきたしている。そこで、さし当り県立医療機関の施設整備を急ぐべきであると思うが、どうか。その計画、予算措置があるかどうか。
3 医療体制が後退した原因の一つには、旧那覇病院の医師等が琉大付属病院に移つたことがあげられるが、この緊急事態にかんがみ、当面琉大付属病院の医師・看護婦の増員をはかり、救急及び地域医療の業務拡大をすることができないかどうか。
4 厚生省の医師派遣は大きな役割を果し現地で大へん感謝されている。ところが、派遣医師の人数を増員すること、滞在日数を長くすること、配置を本島の病院に片寄らせず宮古島、八重山島にも適切に行うこと、などが要望されているが、これらの点に関し厚生省の方針を伺いたい。
5 類似県の四分の一といわれている看護婦の養成は医師とならんで急務である。ところで、国立の准看護婦養成所が開設されたが、沖縄には進学コースがないため准看の本土への流出現象がおきている。そこで、琉大保健学部に臨床看護婦の養成機関を設置すべきと考えるが、どうか。
6 医師、研修生の研究機会を保障することが、当面の医師確保策として必要である。そこで、沖縄の研修制度及び研修設備を早急に充実すべきであると思うが、その施策があるか。
7 沖縄には国立の総合的な医療施設がないため、病種によつては本土治療へ出かけることになり大きな経済的負担を強いられている状況である。前述した如く、類似県の半分にも達しない医療体制の貧困や地理的条件等を考慮すれば、長期的・総合的視野に立ち、国立総合病院の建設を計画すべきであると考えるが、どうか。

  右質問する。