質問主意書

第69回国会(臨時会)

質問主意書


質問第一号

カネミ油症患者の救済に関する質問主意書

右の質問主意書を国会法第七十四条によつて提出する。

  昭和四十七年七月十一日

小平 芳平      


       参議院議長 河野 謙三 殿



   カネミ油症患者の救済に関する質問主意書

 カネミ油症患者は、すでに事件発生以来四年を経過したが病状は依然として一進一退をくりかえし、被害者とその家族は病苦と生活苦にあえいでいる。この間政府は、研究費の一部を補助した程度でなんらの対策も立てていない。この際政府は、次の基本政策を明らかにし、PCBによる環境汚染や将来にわたる被害の発生を未然に防止する必要があると考えるがどうか。

一、治療の研究

 専門の研究機関を設置し、治療法の研究、病状の実態の究明、胎児に及ぼす影響等を明らかにすること。

二、認定基準、認定機関の再検討

 昭和四十三年に定めた現在の認定基準は、実態に即していない。また認定機関の性格もあいまいで、被害者から不信の声が強い。政府はあらためて新しい認定基準、認定機関を設置すること。

三、公害病に認定

 すみやかに、公害に係る健康被害の救済に関する特別措置法を適用すること。もし現行の救済法の適用が直ちにできないならば、これに準じた措置をとり、被害者手帳の交付などを実現すること。

四、生活の援護

 被害者の生活は困窮をきわめている。県市町村等は若干の生活援助を行なつているが、政府も直ちに援助の途を講ずること。

  右質問する。