質問主意書

第68回国会(常会)

質問主意書


質問第三号

財政経済運営に関する再質問主意書

右の質問主意書を国会法第七十四条によつて提出する。

  昭和四十七年二月二十一日

鈴木 一弘      


       参議院議長 河野 謙三 殿



   財政経済運営に関する再質問主意書

 昭和四十七年一月二十四日の私の財政経済運営に関する質問に対する昭和四十七年二月一日付の政府答弁は抽象的で質問に充分答えていないので、再度質問主意書を提出する。

一、今後の経済運営に関する質問に対する答弁は「対外均衡と国民福祉の向上を基本として、均衡のとれた成長を図る」となつているが、これは、今後相当長期にわたるわが国の経済運営の方針と理解してよいか。

二、長期の方針であれば、国民総支出の各項目の増加率、構成比をどのように変えていこうと考えているのかとの私の質問に対する答弁として、単に昭和四十七年度GNPの主要項目の伸び率、構成比を示しただけでは甚だ不充分である。
 今後何年後にはこのように変えるという長期ならびに中期見通しの経済運営の指標を数字をもつて明らかにされたい。

三、今後のわが国の貿易政策のあり方を質した私の質問に対し「国際的な摩擦を回避しつつ、輸出の安定的拡大が必要である」として、そのためには「輸出構造の高度化多角化を図る」との政府答弁だけでは抽象的過ぎて、具体的な施策ないしは今後とられる政策内容が不明である。
 政府が答弁書で述べられた目的を実現するための具体的な施策を示していただきたい。
 それと同時に「輸出の安定的拡大」というのは、世界貿易の伸びとわが国輸出の伸びの関係をどのようにすることをいうのか明らかにして貰いたい。

四、財政主導型の経済運営は、不況克服のための当面の経済政策というよりも、中期、長期の経済政策であると思われるが、そうであるとすれば、従来の民間設備投資と輸出による民間主導型の経済運営をどのような手段、方法によつて軌道修正を行なおうとするのか、問一および問二の質問項目とも関連して、軌道修正のための具体的な政策手段を明らかにしていただきたい。

五、福祉優先の経済政策として、答弁書では(1)社会資本の整備(2)社会保障の充実(3)物価対策の充実(4)社会福祉施設の充実(5)生活環境整備をあげておられるが、私が質問した福祉優先の経済政策の長期、中期、短期の計画は、ほとんど示されていない。政府答弁書のなかで計画が、長、中、短期に示されたものは、極く一部にすぎない。
 政府答弁書に示された社会資本の整備、社会保障の充実、物価対策の充実、社会福祉施設の充実、生活環境整備の各項目ごとに、長、中、短期の計画の有無、ならびに計画のあるものについては、その計画の内容を具体的に伺いたい。

六、福祉優先の経済政策の推進と財源確保の方策について質問をしたが、答弁書では昭和四十七年度を中心とした国債についての考え方が述べられたに過ぎない。長期展望にたつた財源対策は全く述べられていない。
(1) そこで、政府答弁書にある福祉優先政策の[1]社会資本の整備[2]社会保障の充実[3]物価対策の充実[4]社会福祉施設の充実[5]生活環境整備の五項目について、それぞれの施策を行なうために必要な財源は、中期、長期に分けて、どのように見通しているか伺いたい。
(2) ことに、昭和四十八年度から昭和五十年度までの年度別に見た所要額見通しはどうか。
(3) これらの施策を推進するために必要となる財源調達は、国債と税をどのように組合せようとしているのか。
(4) 税については、増税の必要性の有無、今後の構想をも明らかにしていただきたい。

  右質問する。