質問主意書

第61回国会(常会)

答弁書


答弁書第一号

内閣参質六一第一号
  昭和四十四年四月十八日

内閣総理大臣 佐藤 榮作      


       参議院議長 重宗 雄三 殿

参議院議員大和与一君提出交通事故の損害賠償責任に関する質問に対し、別紙答弁書を送付する。



   参議院議員大和与一君提出交通事故の損害賠償責任に関する質問に対する答弁書

 自動車の運行による事故の損害賠償責任は、直接の加害運転者等のほかに、当該運行についての支配権とそれによる利益とが帰属する者に負担させることが最も妥当であると考えられる。自動車損害賠償保障法が、自己のために自動車を運行の用に供する者にその運行による事故についての損害賠償の責任を負担させているのも、この趣旨である。
 したがつて、自動車の割賦販売においては、通常、売主は、単にその代金債権確保のために自動車の所有権を留保しているにすぎず、当該自動車の運行を支配し、それによる利益を受ける者ではないから、このような場合には、売主が損害賠償責任を負担することは妥当でないと考える。
 また、個人間の売買等の場合においても、所有名義のいかんをとわず、当該自動車の運行を支配し、それによる利益を受ける者が損害賠償責任を負担すべきものと考える。