質問主意書

第59回国会(臨時会)

答弁書


答弁書第三号

内閣参質五九第三号
  昭和四十三年八月十日

内閣総理大臣 佐藤 榮作      


       参議院議長 重宗 雄三 殿

参議院議員渡辺武君提出所得税の白色申告に関する質問に対し、別紙答弁書を送付する。



   参議院議員渡辺武君提出所得税の白色申告に関する質問に対する答弁書

 申告納税制度は、納税者が自ら所得および税額を計算し、これを申告してその税額を納付するものであつて、本来、納税者の正確な記帳を前提としている。
 青色申告制度は、このような考え方のもとに、記帳慣行が必ずしも十分でないわが国において、納税者一般の正確な記帳を奨励することを目的として設けられているものであり、記帳が十分に行なわれていれば、所得計算のどの部分がどのように誤つているかを具体的に指摘しうることから、その更正に当たつては、理由を附記することが定められているものである。
 それに対し、いわゆる白色申告の場合は、このような申告納税制度の前提となる記帳が整備されていないため、青色申告の場合と異なり更正の理由を附記することを要しないたてまえとなつている。
 むしろ、この問題は、前述のような申告納税制度本来のあり方にかえりみ、納税者のすべてが青色申告者となる方向で解決すべきであり、このような見地から、昨年度の税制改正で小規模な事業所得者について、いわゆる現金主義による所得計算方式を導入するとともに、より簡易な帳簿で青色申告ができるよう措置されたところである。