質問主意書

第59回国会(臨時会)

質問主意書


質問第二号

低開発諸国に対する家族計画援助問題に関する質問主意書

右の質問主意書を国会法第七十四条によつて提出する。

  昭和四十三年八月六日

加藤 シヅエ      


       参議院議長 重宗 雄三 殿



   低開発諸国に対する家族計画援助問題に関する質問主意書

 低開発諸国ことにアジア諸国の人口問題は、現在爆発的な増加の様相を示している。このためにこれらの地域においては、食糧不足、栄養不良、飢餓が拡大し政治不安を胚胎している。
 そのため、低開発諸国においては、目下多くの国が家族計画の推進に努力しており、国連及びその各機関も家族計画援助に協力している。
 わが国は、一昨年十二月コロンボ会議において正式に家族計画援助を声明し、昨年末はまた佐藤総理大臣が、国連における「家族計画声明」に署名している。
 その後、わが国に対する援助要請も来ているようであるが、いかにも小規模でほとんどやつていないに等しい。この際わが国もアメリカ、イギリス、スエーデン等各国とならんでさらに大規摸に援助を行なうべきであると考えるが、次の諸点について政府の所見を問いたい。

一、アメリカ、ヨーロッパ諸国とならんで、とくにアジア地域に対し、家族計画援助を行なう用意があるか。

二、家族計画援助はデリケートでもあるのでこの方面の国際民間機関、国際家族計画連盟に援助する方法を考えているか。(各国政府は、この民間団体に現金援助をしている)

三、わが国においては、低開発国のことば、風俗、習慣、生活等に習熟している家族計画の専門家が少なく、その国外派遣は困難であると思われるので、低開発国ことにアジア諸国から必要要員を呼び寄せ多数に講習等を行なう用意があるか。

四、本年五月、日本政府に対し、インドネシヤ政府から家族計画援助要請があつたと聞いているが、その返事はどうなつているか。

五、わが国の家族計画援助は「技術援助」のわく内にしばられている。このわくを「物品援助」(家族計画要品)にまでひろげることについてどう考えているか。