第48回国会(常会)
答弁書第五号 内閣参質四八第五号 昭和四十年五月四日 内閣総理大臣 佐藤 榮作 参議院議長 重宗 雄三 殿 参議院議員山本伊三郎君提出駐留米軍北富士演習場の自衛隊使用に関する質問に対し、別紙答弁書を送付する。 参議院議員山本伊三郎君提出駐留米軍北富士演習場の自衛隊使用に関する質問に対する答弁書 (一) 北富士演習揚は、昭和三十二年頃から駐留部隊は、漸次撤退し、現在では、米海兵隊が東富士および北富士両演習場を一体的に使用する訓練その他の演習に随時使用しており、米軍にとつて依然必要な施設である。 (二) 米軍の用に供している施設区域を日本側で共同使用するためには地位協定第二条4(a)の方式が望ましいのであるが、地位協定第三条1の管理権に基づいて日本側の使用を認めることも当然可能であり、北富士演習場における自衛隊の使用は右の管理権に基づくもので、安保条約および地位協定に違反するものではない。 しかしながら、最近の米軍ならびに自衛隊の使用実態よりみて、本演習場を自衛隊の施設とし、米軍の使用については、地位協定第二条4(b)の規定により共同使用させる方が好ましいと考え、このことについて米軍および山梨県ならびに地元関係者と協議中である。 (三) 本演習場のうち、国有地以外の土地については、国は従前から土地所有者との間に賃貸借契約を締結しているが、借上の目的は米軍の使用に供することにあるので、その期限は米軍が使用している期間を通じての不確定期限と解するのが妥当であり、当初の契約は引続き有効なものと考えている。 形式的に年年契約をおこなつているのは、予算会計上の制約ならびに借料改訂の必要に基づく措置であり、したがつて、これらの土地を施設区域として提供し、また、前号により自衛隊に使用させていることは、違法であるとは考えていない。 |