質問主意書

第48回国会(常会)

答弁書


答弁書第二号

内閣参質四八第二号
  昭和四十年二月十二日

内閣総理大臣 佐藤 榮作      


       参議院議長 重宗 雄三 殿

参議院議員小酒井義男君提出埋蔵文化財保護に関する質問に対し、別紙答弁書を送付する。



   参議院議員小酒井義男君提出埋蔵文化財保護に関する質問に対する答弁書

一 埋蔵されている遺跡等の保護を図り、建設事業と遺跡保存の事前調整に資するため、さきに全国的に分布調査を実施して、遺跡台帳を整備したが、関係者への周知を図るため現在その所在地図譜の作成をとり進めている。
 これらの遺跡にかかる公団その他による団地、道路等の建設事業については、建設計画の段階で関係省庁、公団、地方公共団体等において協議し、経費を分担して事前調査を行ない、建設事業と埋蔵文化財の保存について調整するよう努めている。
 今後とも関係者間の連絡を密にするとともに、できる限り時間的余裕をもつて事前に詳細な調査を行ない、調査費の支出も増額して、遺跡の保護に遺憾なきを期したい。

二 日本住宅公団が宅地開発事業として実施中の鶴川地区における古代遺跡の取扱いについては、公園の一部として保存する等埋蔵されている遺跡等の保護を図るための方策を慎重に検討してきたが、該地が地形上大幅な切土工事を必要とする箇所にあたるため、これを現状のまま保存することは技術的にみてきわめて困難であるので、国、公団、町田市により調査費を追加して、現在の調査団により今後引き続き発堀調査を行なつて、その全ぼうを記録にとどめ、学術研究には支障のないよう措置することとした。
 なお、今後の宅地開発に当たつては、文化財の保存あるいは調査について万全を期するよう、その統一的な取扱基準について、公団において関係方面と協議の上作成するよう検討中である。