質問主意書

第40回国会(常会)

答弁書


答弁書第四号

内閣参質四〇第四号
  昭和三十七年三月三十日

内閣総理大臣 池田 勇人      


       参議院議長 松野 鶴平 殿

参議院議員林田正治君提出たばこ耕作振興に関する質問に対し、別紙答弁書を送付する。



   参議院議員林田正治君提出たばこ耕作振興に関する質問に対する答弁書

一、葉たばこの収納価格については、たばこ専売法第五条の規定に従い、生産費及び物価その他経済事情を参酌して、耕作者に適正な収益を得させることを旨として定めることを基本方針としている。
 昭和三十七年産葉たばこ収納価格についても、上記の方針基づき、最近における農村労賃の上昇等を考慮するとともに、三十七年度以降における増反が実現できるように、具体的には、最近三ヵ年の生産費を基礎とし、その後の物財費及び農村労賃の上昇率を勘案して算定のうえ、日本専売公社総裁がたばこ耕作審議会の議を経て決定公示したものである。その結果、昭和三十七年産葉たばこの収納価格は昭和三十六年産に対し、全種類平均で一〇・一九パーセント(葉のし代を含めた場合一〇・六一パーセント)の引上げとなつており、この収納価格には農業事情の変化や生産資材の値上りも十分織り込まれたものと考えている。なお、今後の収納価格決定に当たつても、生産費を重視し、葉たばこ生産が確保される方向において決定されるべきことはいうまでもないところである。

二、現在、日本専売公社のたばこ試験場として秦野ほか四試験場(このほか四分場)が設置されており、公社としては、これにより十分必要な研究を行なうことができると考えている。また、このほか、全国産地において、公社委託の耕作試験を実施しており、各産地の実情に応じた耕作技術の改良向上を図つている。したがつて、現在のところ、特に新しくたばこ試験場を設置する必要はないと考えている。

三、最近におけるたばこ需要の増加に対応して、今後、継続的に原料葉たばこの増産を行なう必要があり、昭和三十七年度において、日本専売公社はたばこ耕作計画面積を六三、五八〇ヘクタールと定めて公示したが、これは三十六年度検査面積五六、九三七ヘクタールに対し一一・七パーセント、六、六四三ヘクタールの増加で、熊本県沿岸地帯については、一、三六六ヘクタールで、同じく一二・八パーセント、一五五ヘクタールの増加となつているが、熊本県沿岸地帯についても、さらに地方公共団体ならびに関係機関と連絡を密にし、今後とも増反に努めることとしたい。