質問主意書

第36回国会(臨時会)

答弁書


答弁書第一号

内閣参質第一号
  昭和三十五年十月二十四日

内閣総理大臣 池田 勇人      


       参議院議長 松野 鶴平 殿

参議院議員矢嶋三義君提出次期主力戦闘機ロツキードF104Jの国内生産に関する質問に対し、別紙答弁書を送付する。



   参議院議員矢嶋三義君提出次期主力戦闘機ロツキードF104Jの国内生産に関する質問に対する答弁書

一、T33、F86F及びP2Vの材料、部品、装備品の国内生産率は金額比において、次のとおりである。
 T33  約四三%
 F86F 約四八%
 P2V  約八%
 F104Jについては、機体部品材料のうち約四〇%を目標に国産する方針であり、また、エンヂン、塔載通信機器についてもノツクダウン機以外は国産する計画である。
(注)T33、F86Fの両機種の国内生産率は第一次、第二次生産においては低率であるので、最高となつた第三次生産における国内生産率を表示した。

二、機体部品、材料及び装備品の国産化については、現在新三菱重工業(株)で具体的品目を検討中であり、輸入によるものと国内生産によるものとの品目表は成案を得るに至つていない。なお、機体関係以外のエンヂン、塔載通信機器は国産し、射撃管制装置、オートパイロツトは輸入する計画である。

三、防衛庁の契約相手方はF86F及びF104Jについては新三菱重工業(株)、T33及びP2Vについては川崎航空機工業(株)、その他の官給品についてはそれぞれの国内生産担当会社である。(P2V生産に当たり国内で生産しない官給品については米国政府より有償援助で購入した。)
 米国政府が米援助分を米国内で調達するに当たつてはT33及びP2Vについてはライ社から調達し、F86Fについてはノースアメリカン社から調達したときいている。
 なお、F104Jの米援助分については新三菱重工業(株)がライ社と契約することになつているが、当初ライ社が提出した見積りの手数料率は二七%であつた。

四、当初ライ社が提出した見積りの手数料率二七%の内訳は次のとおりである。
  梱包荷づくり費五%
  米国内輸送費及び輸送保険料一・九%
  調達諸経費(検査、生産促進等の費用を含む)八%
  一般管理費及び利益一〇%
以上を総計して二七%となる。
(計算式 1.05×1.019×1.8×1.1≒1.27)

五、F104Jの装備品等はあくまで当初予定されている仕様に合致するものを採用する方針であるので、性能が低下するおそれはない。なお、当庁の要求する仕様に合致する範囲内で、最も経済的な製品を選ぶことはもちろんである。