質問主意書

第34回国会(常会)

質問主意書


質問第二号

仙台駅前広場計画に関する質問主意書

右の質問主意書を国会法第七十四条によつて提出する。

  昭和三十五年四月二十七日

田中 一      


       参議院議長 松野 鶴平 殿



   仙台駅前広場計画に関する質問主意書

一、仙台駅前広場は昭和二十一年十一月十一日付戦災復興院告示をもつて、仙台市復興事業計画の一環として現在の駅舎を百六十米後退して、一万一千六百坪とすることに決定した。その後駅前民有地の換地の必要上、昭和二十八年四月七日建設省告示をもつて九千七百十九坪に計画変更し、その実施を推進してきた。
 しかるに昭和三十四年度をもつて戦災復興事業が打切られ、当該事業もほとんど完了の域に達した今日において、駅前広場計画のみは未着手の状況である。これは、一に国鉄の福島仙台間の電化工事に伴う駅舎の移転問題の不確定性によると考えられる。政府は本年度より着手する都市改造事業において、当初計画通り駅前広場の拡張を実施する方針なりや、これに対する見解を明示されたい。

二、昭和三十四年九月、仙台鉄道監理局長は、仙台市長に対し駅舎の百六十米後退を九米に止め広場面積を約四千坪に変更したき旨申入れたときく。計画変更の理由を明確にされたい。
 また、当初計画と変更後の計画は、それぞれ乗降客数を何年度を目標にいかほどと推定しているのか。

三、現在の駅前広場はあまりにも狭長なため、バスの発着所数は四十七ヵ所に分散し、はなはだしきは駅より百五十米の遠距離にあつて、乗客にはなはだしい不便をかけるのみならず交通の混乱も日々増大する傾向にある。国鉄側の変更計画によれば広場は間口三百米、奥行三十四米となり混雑緩和は不可能と思うがどうか。
 仙台市当局は、バス発着所を駅前広場に吸収するため、都市計画街路、清水小路、定禅寺通線と多門通常盤町線に囲まれた三角地帯の一部六千六百十二平方米をバスプール用地として駅広場面積に含め、一万九千九百十二平方米をもつて駅前広場としたい旨、本年三月三十一日国鉄と協議し、追つて四月十九日正式協議書を仙台鉄道監理局長に発送している。これについて政府はいかなる行政指導を行う所存なりや。

四、国鉄側は、駅前広場の都市計画が本決りにならないと、仙台までの電化計画は遅れるだろうと発表し、国鉄側の条件を呑むことを暗に要請すると思われるが如き態度を示している。かかる態度に対し政府はどう考えるか。
 また今日の紛糾を招いたのは計画に一貫性なく、その指導に消極的であつた政府の責任と言わざるを得ない。駅前広場の拡張と国鉄の電化を希求する地元民の期待に応ずるため、今後における政府の具体的方策を明示されたい。