質問主意書

第29回国会(特別会)

質問主意書


質問第一号

中央卸売市場法改正に関する質問主意書

右の質問主意書を国会法第七十四条によつて提出する。

  昭和三十三年六月二十三日

青山 正一      


       参議院議長 松野 鶴平 殿



   中央卸売市場法改正に関する質問主意書

 中央卸売市場法の立法趣旨は、在来の市場を整理統合し、その組織を合理化し、公正明朗な取引方法により、生鮮食料品の価格の適正とその流通の円滑をはかり、もつて生産、配給、消費各面の公共的福利増進を期するにあるは論をまたないところであるが、遺憾ながら現行法は、今日幾多の不備欠陥を露呈して、その本来の目的達成は頗る困難な実状にある。
 たとえば、中央卸売市場に近接して、甚しきは中央卸売市場と軒を連ねて類似市場が放任されており、法の権威は失墜し、公正取引は阻害されて、中央卸売市場法が死文化しつつあることは看過し得ない。しかしながら中央卸売市場から避遠の地に、社会的必要によつて存在する市場は、もとより別個に考慮されねばならないと考える。
 政府は過去幾度か市場法の改正を意図したが、その都度龍頭蛇尾に終り、前国会において漸くその枝葉末節的部分の改正をしたに過ぎない。
 蔬菜、果実、魚類の如き国民必須の重要食品流通機構の刷新は、緊急を要する問題であると思うが、政府は次の各項についてこの際明確なる所信を示されたい。

一、政府は現行中央卸売市場法の全面改正の意図を表明しているが、市場界の実状は一日もゆるがせにできぬものがあり、この際中央市場に密着して寄生する特殊な類似市場を規制するよう緊急に改正すべきであると思う。

二、市場法本来の目的を達成するため、中央市場指定区域内の市場開設は、農林大臣の許可制とすべきであると考える。

三、前項の許可に際しても、それぞれの市場間の一定の距離制限の規定を設けるべきであると思う。

四、現行市場法第六条を、中央市場開設後においても必要により指定区域内の類似市場の閉鎖命令を発し得るように改正すべきであると考える。