質問主意書

第26回国会(常会)

答弁書


答弁書第一三号

内閣参質第一三号
  昭和三十二年五月十九日

内閣総理大臣 岸 信介      


       参議院議長 松野 鶴平 殿

参議院議員吉田法晴君提出福岡県飯塚市議会歳費脱税事件に関する質問に対し、別紙答弁書を送付する。



   参議院議員吉田法晴君提出福岡県飯塚市議会歳費脱税事件に関する質問に対する答弁書

一、福岡国税局の調査したところによれば、福岡県飯塚市が、昭和二十八、二十九両年度において同市議会議員に支給した市政研究交付金、議員共済交付金及び行政視察費のうち、市政研究交付金及び議員共済交付金は、その名目は交付金となつていても、その支給の形態等からみて、給与所得に該当するものと考えられるが、行政視察費は、実際に公務出張した場合に支給したもので、旅費に該当するから、課税すべきものではないと考える。

二、飯塚税務署及び福岡国税局は、昭和三十年五月飯塚市を監査し、同市の市議会議員に支給していた市政研究交付金及び議員共済交付金に対する源泉所得税の課税もれを発見したので、同市に対しその税額二、九二四、一〇五円の納付方を勧奨したところ、昭和三十年十月そのうちの三一六、五六八円の納付があつた。残余の二、六〇七、五三七円についても、その後再三自発的納付を勧奨してきたのであるが、その勧奨に応じないので、昭和三十二年三月十四日飯塚市に対し徴収決定の処分を行うとともに、その支給を受けた市議会議員に対しても、当該所得につき確定申告する義務がある者に対しては、修正確定申告書の提出方を勧奨し、これに応じなかつた者については更正を行つた。
 なお、飯塚市に対して行つた徴収決定の処分及び議員に対して行つた更正に対しては、いずれも再調査の請求があり目下審理中である。

三、福岡国税局の調査したところによれば、飯塚市が昭和三十年十月七日に納付した三一六、五六八円は、同日議員に支給した金員から前記の税額に相当する金額の徴収を行つているので、議員各人から徴収して納付したものと認められ、市議会事務費から納付したものではない。

四、飯塚市に対する徴収決定の処分が本年三月となつたのは、地方自治体としての特殊牲を考慮し、極力自主的措置による善処方を期待していたためである。