質問主意書

第26回国会(常会)

答弁書


答弁書第七号

内閣参質第七号
  昭和三十二年三月一日

内閣総理大臣 岸 信介      


       参議院議長 松野 鶴平 殿

参議院議員田中一君提出沖縄に在る国有財産と国土保全に関する再質問に対し、別紙答弁書を送付する。



   参議院議員田中一君提出沖縄に在る国有財産と国土保全に関する再質問に対する答弁書

一、「桑港条約第三条の規定によりその範囲内において諒解が与えられている」と答えた趣旨は、桑港条約第三条後段に「このような提案が行われ且つ可決されるまで、合衆国は、領水を含むこれらの諸島の領域及び住民に対して、行政、立法及び司法上の権力の全部及び一部を行使する権利を有するものとする」と規定されているので、その権利の行使の範囲内で米国に国有財産を管理することが認められていることを述べたものである。

二、旧陸海軍が無償で民有地を使用したため、その土地が米軍により国有財産と断定され、米軍に無償で取り上げられているという事実は聞いていない。
 御指摘の土地が国有地であれば一において答弁した如くであり、また民有地であれば、その使用等に関しては、米国民政府と所有者間の問題であるわけであるが、近く国会議員及び政府代表からなる視察団がレムニッツアー民政長官の招待により沖縄訪問を行う予定であるからその際、更に御質問の件について事情を確めることと致したい。