第26回国会(常会)
質問第一四号 茨城県下の軍事基地に関する質問主意書 右の質問主意書を国会法第七十四条によつて提出する。 昭和三十二年五月十六日 森 元治郎 参議院議長 松野 鶴平 殿 茨城県下の軍事基地に関する質問主意書 一、百里基地予定地について。 1 東茨城郡小川町の町長選挙で「百里原基地反対」の山西きよ女史が、飛行場誘致派の前町長幡谷仙三郎氏を破つて当選した。政府は右に示された現地の空気にもかまわず飽くまで飛行場建設強行の方針であるか。 2 「百里」開拓農地の飛行場転用につき農地法第七十三条による農林大臣の許可をとつたが、それはいつのことか。また右許可につき、当局の附帯条件を示されたい。 3 農地転用許可がある前、即ち昨年末防衛庁は土地売渡賛成者に補償料の一部を支払つたが、それは、農地法違反の疑いがあるか如何。 4 飛行場予定地の中央部その他に絶対反対者があつては仮に農地法第七十三条による許可があつても基地計画実施はできないはずである。したがつて、一切の土地売渡し承諾者の分も含めて、基地工事に取りかかることは勿論、土地代金の支払などできないはずであると思うが如何。 二、神ノ池基地予定地について。 当局は反対者が少いと宣伝して、今年こそは現地測量を強行する方針ときくが、如何。 三、友部基地予定地について。 西茨城郡友部町にある旧海軍航空隊跡の一部を自衛隊高射砲訓練学校として使用する計画を進めているが、ここも地元民の総反対をうけているばかりでなく、茨城県当局はここに精神病院を建てるべく大蔵省に払下げを申請中であり、また運輸省は気象観測所用地として使用をもくろんでいるということである。 右に対し、地元の開拓組合、増反組合は「この土地を増反に振り向けよ」と要求しているが、政府はその計画を断念するつもりはないか。 |