質問主意書

第26回国会(常会)

質問主意書


質問第一三号

福岡県飯塚市議会歳費脱税事件に関する質問主意書

右の質問主意書を国会法第七十四条によつて提出する。

  昭和三十二年五月十三日

吉田 法晴      


       参議院議長 松野 鶴平 殿



   福岡県飯塚市議会歳費脱税事件に関する質問主意書

 飯塚市における、昭和二十八年、同二十九年度分、市会議員に対する、源泉所得税徴収が、著しく正当を欠いていると信ずるのであるが、次の諸点にわたり、政府の所見を明示せられんことを望む。

(一) 年度予算に組まれたものが、市政研究、議員共済、行政視察各交付金と費目の変更が行われ支出されたが、飯塚税務署及び福岡国税局においては、その金員は、歳費と同様に当然飯塚市長、平田有造及び前市会議長岡芳太郎外二十九名の課税対象となるものと、認定し、われわれもそのように信ずるが政府の見解如何。

(二) 右につき、飯塚税務署において脱税行為であるとの見解に基き、昭和三十年五月二十七日、三百七十万円の追徴課税を通知したところ、同年十月七日に至り、市長平田有造より、三十一万円を納入し、残余は非課税なりとの事で現在に至る迄、納付されていないと知るが、事実かどうか、又、三十一万円は市議会事務費より支出されているが、その点に就いての政府の見解如何。

(三) 右金額が、税務署認定の通りとするならば、国家公務員法及び国税犯則取締法に従い、鋭意徴収の義務が、税務官にあるにかかわらず、言を左右にし、あまつさえ、政治的解決をしたかの如き印象を市民に与えるに至つては、真面目な市民に対する侮辱と考えるが、政府の見解如何。

(四) 今更いう迄もなく、法の適正なる運用、特に租税徴収に当つては甲乙の差なくする事が、庶民の信を厚くする所以であり、納税意欲の向上に資する所、大なるものありと考え、早急に徴収すべさものと考察するが、政府において、その意思と実行の誠意あるや否やを明かにされたい。