質問主意書

第22回国会(特別会)

答弁書


答弁書第三号

内閣参質第三号
  昭和三十年五月三十一日

内閣総理大臣 鳩山 一郎      


       参議院議長 河井 彌八 殿

参議院議員青山正一君提出韓国海苔輸入に伴うわが国浅海漁業に及ぼす影響に関する質問に対し、別紙答弁書を送付する。



   参議院議員青山正一君提出韓国海苔輸入に伴うわが国浅海漁業に及ぼす影響についての質問に対する答弁書

一、韓国との貿易を正常化する為には、韓国のりの輸入を認めることが適当であるが、反面これによつて生ずる国内のり生産業者への影響を顧慮すべきことも又当然であるので、政府としては主意書記載の通り参議院水産委員会の決議を尊重し、国内のりの生産確保方針に副いつつ、韓国のりの輸入を認める方針である。

二、上記の方針に基き韓国のりの輸入を行うためには、生産業者、販売業者及び輸入業者の統一した意見を尊重することが、適当と考えられるので、今後の輸入に際しても、これらの綜合的意見を尊重してゆく方針である。

三、昭和三十年度の輸入については、韓国のり需給調整協議会より四月以降一億枚の輸入を妥当とする旨の意見の開陳があり、政府としてもこれを早速に実施すべく準備中であるが、外貨割当の方式等について検討を行つている為、現在迄遅延している次第である。

四、現在考慮中の割当方式は、一億枚の半数を、実績を有する者に、半数を実績を有すると否とを問わず、一定の条件を具え、且つ韓国政府の認める輸出機関からの発注をうけた者に対し割当をしようとするものであるが、新たに輸入割当をうけた者についても生産業者、販売業者及び輸入業者の綜合的意見の反映を可能ならしめるよう行政指導を行う方針である。

五、韓国のりの輸入に当つては、国内生産の保護育成を重視すべきことは勿論である。なお韓国のりの恒久的輸入調整の方式については、今後一層検討する方針である。