質問主意書

第15回国会(特別会)

答弁書


答弁書第六号

内閣参質第六号
  昭和二十七年十一月十四日

内閣総理大臣 吉田 茂      


       参議院議長 佐藤 尚武 殿

参議院議員青山正一君提出旋網漁業の経営合理化についての質問に対し、別紙答弁書を送付する。



   参議院議員青山正一君提出の旋網漁業の経営合理化についての質問に対する答弁書

第一 旋網漁船の適正化

 旋網漁船の適正屯数については、海区別、魚種別に目下検討中であり、これに伴う漁業経営の合理化を促進し、旋網漁業の健全なる発達を図るため、近々三割程度の全国総屯数の増加を認めるべく考慮している。
 また、代船建造については、昭和二十七年度より農林漁業資金の特別融資により、水産業協同組合の自営漁船を対象として金融措置を実施しているが、昭和二十八年度においても特に、旋網漁船の建造資金につき予算措置を目下協議中である。

第二 合成繊維漁網の使用助成

 旋網漁業は現在の綿漁網では、腐敗損耗が最も甚だしく、しかも漁具が大型であるため経営費中漁網の占める比率が高いので合成繊維漁網の使用は最も効果的である。
 従つて、これが購入資金の斡旋に極力努力するとともに又品質の欠点の是正と向上のためには検査の徹底と品質保証制度等が考えられるので目下検討中である。

第三 漁業許可料の問題

 漁業許可料の徴収については、当該漁業個々の負担力を全漁業との関連において均衡をはかつて決定されなければならないものであり、旋網漁業のみを他種漁業と切り離して特殊の取扱いをすることは不可能である。
 なお、本年度の徴収額については、負担力を充分検討考慮の上、当初計画に比し約三割弱の軽減措置を図るとともに、許可料の負担力については免許料に比し低減するよう定められる予定である。