質問主意書

第13回国会(常会)

答弁書


答弁書第三号

内閣参質第三号
  昭和二十七年二月十五日

内閣総理大臣 吉田 茂      


       参議院議長 佐藤 尚武 殿

参議院議員原虎一君提出相互銀行法と解約手数料に関する質問に対し、別紙答弁書を送付する。



   参議院議員原虎一君提出の相互銀行法と解約手数料に関する質問に対する答弁書

 相互銀行制度は、単に既存の無尽会社の延長でもなく又貯蓄銀行の復活でもない新しい制度であつて、その業務は、いわゆる無尽の合理化を図つた相互銀行法第二条第一項第一号の業務とその他一般の銀行業務とを綜合したものである。この無尽業務は、掛金者と相互銀行との債権債務の双務関係に基礎をおくものであつて、掛金が円滑に払い込まれて始めて、予定の給付が実行されることとなる仕組を有するものであり、この掛金払込の債務が確実に履行されることを保障するために、掛金債務の不履行に伴う損害賠償として解約手数料の制度が設けられているのである。無尽会社の相互銀行転換後の新規契約に対する解約手数料徴収の最高限度は、掛金契約高千円に対して十円以内、即時払の場合には、二十円以内に引下げを実行するとともに、各相互銀行とも損失勘定においては、極力経費の節減を計り、さらに積極的に資金量の増大に努めているので、収益勘定も逐次改善されており、これらのうちに占める解約手数料の割合は、漸次低下しつつあるが、制度上これを廃止することは困難と考えられる。
 なお、相互銀行についての解約手数料の最高限度は、全国を通じて一率に前に述べた通りであるが、無尽会社については、給付金契約高千円に対して、二十円以内、即時払の場合は、三十円以内であつた。