第13回国会(常会)
質問第五号 平和条約の発効に伴う特定資産の処置に関する質問主意書 右の質問主意書を国会法第七十四条によつて提出する。 昭和二十七年四月十日 千田 正 参議院議長 佐藤 尚武 殿平和条約の発効に伴う特定資産の処置に関する質問主意書 昭和二十年九月二十二日連合軍総司令部覚書「金融取引の統制に関する件」によつて、本州、北海道、四国、九州及び附属島嶼以外に在る日本国民の財産、権利は一切在外資産として定義づけられ、今日もなお「為替管理法」によつてその処分権が停止せられており、且つそれ等の大部分は対日平和条約によつて連合国の留置、清算するところと規定せられているが、一方において平和条約上の特例もあり、その尽くが連合国の没収するところとならないことは明らかなところである。 従つてこれ等連合国によつて留置清算せられない日本国民の財産、権利は、平和条約の発効後速やかに一切の制限を解除し自由処分が許さるべきものと思料するが、政府の方針はどうか。引揚者をはじめ利害関係者も多いことであるから、制限解除の時期、方法その他左記の事例について詳細且つ具体的に回答せられたい。 (一) 本邦通貨で表示された財産、権利 1.有価証券 2.小切手 送金手形 為替手形 約束手形 支払指図書 送金指図書 3.債務証書 郵便貯金 郵便年金 銀行預金 保険契約 合資会社、合名会社、株式合資会社、有限会社、組合等に対する持分 (二) 軍票その他本邦通貨以外の通貨で表示された財産、権利 (三) 平和条約と外地に本店を有する閉鎖機関の整理との関係 1.債務弁済の優先順位 2.外地勤務社員の未払給与、退職手当、身元保証金、社員貯金、預け金等 (四) 輸入制限により上陸地税関において保管中の証券等の諸財産 |