質問主意書

第13回国会(常会)

質問主意書


質問第四号

国立東京水産大学の施設についての質問主意書

右の質問主意書を国会法第七十四条によつて提出する。

  昭和二十七年三月十五日

青山 正一      

       参議院議長 佐藤 尚武 殿



   国立東京水産大学の施設についての質問主意書

一、国立東京水産大学は、農林省所管水産講習所から改組せられた新制大学である。同大学の前身たる水産講習所は、明治三十年専門学校に準じて創設せられたものであつたが、夙に本科四ケ年の外二ケ年の専攻科を有し、旧制大学と全く同程度の内容を備え、その沿革と施設とより見て、水産大学として最も充実したものと認められるのである。現に同大学の教官中十四名は学位を有するものであり、水産関係内外文献の収蔵の多いことを見ても明らかである。然るに、新制大学たるの故をもつて、大学院の開設が許可せられないとのことであるが、同大学が創立以来多年わが国水産教育に寄与した功績とその実力ある施設、陣容などから見て、まことに遺憾である。政府は、国立東京水産大学に大学院の設置を許可する考えはないか。

二、国立東京水産大学は、その前身たる農林省水産講習所として東京都深川区越中島町に校舎があつたのであるが、戦災に因り焼失したため、神奈川県横須賀市久里浜所在の旧陸軍の施設を仮校舎としていたところ、警察予備隊の設置に伴い、廃屋同様の狭隘な一隅に移転せしめられ、極度の困難を冒して授業を継続している現状である。本件については、これまで同大学から関係当局に対して、校舎返還方を懇請陳情するところがあつたことは勿論、文部大臣並びに法務総裁には親しく現地を調査せられ、又参議院水産文部連合委員会に出席せられ、速やかに本件を解決すべき旨言明せられたにもかかわらず、今もつて解決を見ないことはまことに遺憾である。政府はこの際、適当の措置を講じ、校舎の返還を断行する考えはないか。

  右の二点について、具体的の理由を明らかにして、政府の見解を承わりたい。