質問主意書

第13回国会(常会)

質問主意書


質問第三号

相互銀行法と解約手数料に関する質問主意書

右の質問主意書を国会法第七十四条によつて提出する。

  昭和二十七年二月六日

原 虎一      

       参議院議長 佐藤 尚武 殿



   相互銀行法と解約手数料に関する質問主意書

 昭和二十六年十二月十九日付内閣参質第一号をもつて答弁があつた標記の件について再質問する。
 答弁中「募集、集金に多額の経費負担があるため契約不履行の場合には損害賠償の意味で」解約手数料を取るのは当然であるというが如きは、零細業者の苦しみを顧りみない相互銀行の悪徳行為を是認する詭弁で、吾人の認容し難い所である。そもそも相互銀行法の制定は、この無尽制度の悪い所を改め正当な金融機関とし貯蓄銀行的性格に改めたもので、単に看板の塗替でない筈である。
 募集や集金に手数と負担をかけるのは銀行も信用組合も同じであり、日掛、月掛で零細な資金を集め、加入者が解約するときは、元金に普通利子を付けて払戻している。
 無尽掛金がかからなくなるような時は一層苦しい状態になるのであるから親切に扱い掛けた元金だけは当然かえさるべきである。利子を付けないだけで手数料は出る。然るに無尽会社だけが高額な解約手数料を取つたり満期迄の期間の利子を差引くことは、最も悪い高利貸的行為であつて、正当な金融機関の行為ではない。前質問書に記載した実例のような不当行為を政府は是認し、何等の措置をとる意志がないものか明確な解答を伺いたい。
 中小企業金融の最も大きな分野を負担する相互銀行の健全な民主的運営は国民大衆の福祉に影響があるのでこの際不当な解約手数料の制度撤廃が至当と思うが、政府の意向を質したい。無尽会社乃至相互銀行の決算に表われる解約手数料の収益は相当のものであると聞く。
 よつて全国の無尽会社乃至相互銀行の解約手数料の一覧表を附した解答を求める。

  中小企業金融の円滑を期するため右の質問主意書を提出する。