質問主意書

第12回国会(臨時会)

質問主意書


質問第二号

漁業経営合理化の促進に関する質問主意書

右の質問主意書を国会法第七十四条によつて提出する。

  昭和二十六年十月三十日

青山 正一      

       参議院議長 佐藤 尚武 殿



   漁業経営合理化の促進に関する質問主意書

一、漁業効率増進に必要な機械類設備の助成

 魚群探知機、方向探知機、無電機械、電気水温計等の如き、漁業効率増進上欠くことを得ない設備については、特別の助成又は融資の方法を講じて、その普及を図るべきではないか。

二、合成繊維漁網綱使用の助成

 合成繊維を漁網綱に使用することは、単に漁業経営費を著しく節約せしむるに止まらず、輸入原料に要する外貨をも節約せしむるものであることは、今や各方面から立証せられているにかかわらず、初度調製費のため、一時に稍々多額の資金を要するので、特別の助成又は長期金融の便法を講じて、これが普及を図るべきではないか。

三、魚類運賃の低減

 イワシ、ニシン、サンマ、イカ、サバ、タラ等所謂大衆向の魚類に対する鉄道運賃低減につき特別の措置を講じ、生産から消費の過程において負担の軽減を図るべきではないか。

四、漁船用燃油価格の引下

 最近における物価高を反映して、漁業経営費が、極端に増大してきたが、漁船燃油の価格騰貴は、その最大の原因であると考えるので、この際強力な価格引下げの措置を講ずべきではないか。

五、漁船保険料の軽減

 漁業経営費の増大に伴い、漁船保険料は、漁業者の容易ならざる負担となつているから、これが引下げ又は助成につき、何等かの措置を講すべきではないか。

 以上の諸要件の多くは、既に関係団体等から、請願又は陳情せられ、関係当局において夫々対策が講究せられていることと信ずるので、この際、政府としての具体的な見解を詳細に承りたい。