質問主意書

第10回国会(常会)

答弁書


答弁書第一一号

内閣参質第一一号
  昭和二十六年五月十五日

内閣総理大臣 吉田 茂      


       参議院議長 佐藤 尚武 殿

参議院議員岡村文四郎君提出農村人口過剰対策に関する質問に対し、別紙答弁書を送付する。



   参議院議員岡村文四郎君提出農村人口過剰対策に関する質問に対する答弁書

イ、受胎調節に関する知識の普及は、優生保護法の運営上からも今日強く要望したいところであつて、昭和二十六年度予算編成に際しては差当り、優生結婚相談所の国庫補助金及び受胎調節指導者講習費等数千万円を必要とすると考えたのである。

ロ、国家財政の観点から許されるとすれば、もとより必要額を補正予算に計上したいが、たとえ財政上の理由からそれが許されないとしても、都道府県その他関係諸団体との連絡を密にし、これらの行う活動を促進奨励することによつて受胎調節に関する適正な知識が得られるようにはかりたい所存である。

ハ、生産増強による農村の過剰人口対策としては、農業部門内部における生産力の増強を必要とすることもちろんであるが、これのみで解決されるものでなく、さらに未利用資源の開発、鉱工業生産力の拡充により国民経済全体としての雇傭力の増大をはからねばならぬ。これに対する具体的計画は自立経済計画及び国土総合開発計画の一環として策定致したい。