質問主意書

第10回国会(常会)

答弁書


答弁書第九号

内閣参質第九号
  昭和二十六年四月九日

内閣総理大臣 吉田 茂      


       参議院議長 佐藤 尚武 殿

参議院議員上原正吉君提出記載金高なき物品受取書も印紙の貼付を要するものとした国税庁通達に関する質問に対し別紙答弁書を送付する。



   参議院議員上原正吉君提出記載金高なき物品受取書も印紙の貼付を要するものとした国税庁通達に関する質問に対する答弁書

 印紙税法第四条第二項の旧規定(昭和二十六年四月一日の改正前の規定)は「証書面に標記しある価額の単位その他の記載事項によりその金高を算出し得るものはその総金額をもつて記載金高とみなす。」とあるので、物品の受取書についてみるときは、同項の文意は、必ずしも当該物品の単価と数量等の記載がある場合にのみその金高を算出し得るものと解すべきではないと考える。同法第五条において記載金高の多少により印紙税の課否を規定しており、又実情をみると殊更に金額を抹消して印紙税を免かれようとする場合も少くないので、受取の目的たる物品が百円以上の価格を有するときは、負担の権衡上印紙税の納付をなさしめる必要があるものと解することもできると考えられる。
 しかしながら、日常の経済取引に及ぼす影響を考慮するときは、記載金高のない物品の受取書を非課税におくことが最も実情にそうものと考えられるので、同項の規定中「価額の単位その他の記載事項」を「価額の単位及び数量」に改めることとし、第十回国会の議決を経て、本年四月一日から実施した次第であるから御了知されたい。