質問主意書

第10回国会(常会)

質問主意書


質問第四号

雑穀類統制解除に関する質問主意書

右の質問主意書を国会法第七十四条によつて提出する。

  昭和二十六年一月二十七日

松浦 定義      

       参議院議長 佐藤 尚武 殿



   雑穀類統制解除に関する質問主意書

 雑穀類統制解除に関しては、昨年来主務農林大臣を始め関係当局等より再三昭和二十六年一月をもつて統制解除の言明をなせるも、最近に至り当局は客観的情勢を考慮してか見合せの態度をもつているが、本員は左記見解の下に速やかに雑穀類の統制解除を行うべきであると思考するが、政府当局の本問題に対する具体的な方針を質問する。

一、雑穀類の主食としての価値は消費者の配給辞退の面を見ても実質的に無くなつている。

二、食糧庁においては全国的供出推進の状況考慮していると言うが、雑穀全国生産量の八六、六%をしめる北海道においては十二月中に供出を完了しており、統制解除しても全国的な供出に対し何等の影響を及ぼすものではない。

三、供出の責任はあくまで個人であり、百%供出後は統制解除すると言明した政府の信用を失墜し引いては二十六年度における農民の生産意欲を減退せしめる何ものでもない。

四、政府当局は三月上旬統制解除の方針と聞くが、一ケ月といえども長引かすことは一部業者の利権をあさる暗躍により、善良な農民をして統制違反の罪悪をつくらせるものである。

五、統制解除により自由販売を予定せる農民は、農耕蒔付期を目前に控えて営農資金調達等の農村経済は統制解除長引かしの余裕を許さぬ段階にある。

六、結論として政府は昨年来の既定方針通り直ちに一月末をもつて統制解除すべきである。