質問主意書

第7回国会(常会)

答弁書


答弁書第三九号

内閣参質第二八号
  昭和二十五年二月二十四日

内閣総理大臣 吉田 茂      


       参議院議長 佐藤 尚武 殿

参議院議員岡村文四郎君提出北海道産いらくさについての質問に対し、別紙答弁書を送付する。



   参議院議員岡村文四郎君提出北海道産いらくさについての質問に対する答弁書

 昭和二十三年六月十六日附二三繊第六一五六号商工省繊維局長名各商工局長及び各需要者宛「昭和二十三年度産野生苧麻需要者別配分に関する件」通牒の工場別配分表は別添(一)写の通りであり、配分先工場名、同配分数量、出荷先府県別及び同出荷数量等の詳細明確なる指示を、北海道いらくさ集荷時期である十月以前のはるか数ケ月前に処置している。
 右によつて集荷者(原草販売者)である北海道販売農業協同組合連合会(以下単に北販連と呼ぶ。)が当然譲渡の経済交渉を行うことが商取引の常道であると思はれる。現に内地産のいらくさについては、その集荷者よりいらくさの集荷につき、中央に適時報告をなし、別添(一)の写の如き配分計画に基き集荷者と需要者との間に随時円滑なる引取が行われ、内地分については、全然かかる問題を起していないのであつてこの点より観るも本件は主として集荷者たる北販連の中央官庁並びに現地関係官庁への連絡の不充分なことと、需要者に対する適切なる措置を欠いた結果と考へる。
 北海道庁より昭和二十三年十一月二十七日附で工場別配分の問合せが来たので直ちに電報をもつて集荷数量の報告をもとめたところ、昭和二十四年一月二十一日電報をもつて原草集荷数量を報告して来た次第である。よつて直ちに二月上旬から農林省、商工省、北販連並びに雑繊維工業連合会(以下単に雑繊維と呼ぶ。)は、当面の状勢に即応するいらくさ収納問題の具体的な話を進めたのである。
 その結果昭和二十四年四月一日に至り雑繊維と北販連との原草受渡契約書並びに覚書を取交し、両者異議なく円満に原草受渡について交渉が成立したわけであり、その内容は利添(二)写の如くである。
 その後実物の送付に当つて相当量の腐敗品があつた為に、右契約書及び覚書の条項により、損失の責任が明確になつたのであるが、このことが、今日の問題を招来したことと考えられる。なお質問書に言う如く四月一日以前に工場別配分計画がなかつたのではなく既に前年六月に配分計画がたてられていたことは、前述により御承知の通りであつて、四月に行われた配分計画は此の問題処理のために、とられた再配分計画であり、問題が実際に中央に移された二月上旬以来四月の再配分迄に要した時間は問題の性質よりして、止むを得ないものと認められる。
 右のように原草が腐敗した場合、関係者が、責任を負うと約束した事項について欠損の補償を政府当局から負うことは不可能なことである。以上より前回答弁書に言う供給者の責任とは集荷者たる北販連にあるので採集者たる生産農民を意味するものでないことも了解願いたい。
 しかし本件については、集荷者の事情も考慮して、できるだけ希望物資の特配等によつて円満なる解決をはかることとし、種々物資を配慮したのであるが北販連当事者の希望により先の答弁書を記載せるゴム製品(ゴム長靴 二、〇〇〇足 地下足袋 五、〇〇〇足)をすでに割当し、追加分として地下足袋一〇、〇〇〇足の割当も二月二十一日決定を見ている次第である。
 なお、本件については、一月十日附質問書を提出されたので、一月三十日附答弁書で回答したのであるが、二月二十日附更に質問書の提出があつたので、あらためて答弁書を提出する。

別添(一) 昭和二十三年度野生苧麻工場別配分表 1/8
別添(一) 昭和二十三年度野生苧麻工場別配分表 2/8
別添(一) 昭和二十三年度野生苧麻工場別配分表 3/8
別添(一) 昭和二十三年度野生苧麻工場別配分表 4/8
別添(一) 昭和二十三年度野生苧麻工場別配分表 5/8
別添(一) 昭和二十三年度野生苧麻工場別配分表 6/8
別添(一) 昭和二十三年度野生苧麻工場別配分表 7/8
別添(一) 昭和二十三年度野生苧麻工場別配分表 8/8

別添(二) 昭和二十三年産蕁麻乾茎取扱に関する覚書

別添(二) 昭和二十三年度蕁麻乾茎受渡契約書 1/3
別添(二) 昭和二十三年度蕁麻乾茎受渡契約書 2/3
別添(二) 昭和二十三年度蕁麻乾茎受渡契約書 3/3