質問主意書

第7回国会(常会)

質問主意書


質問第五三号

賃金ベースの引上げに関する質問主意書

右の質問主意書を国会法第七十四条によつて提出する。

  昭和二十五年三月二十九日

市來 乙彦      

       参議院議長 佐藤 尚武 殿



   賃金ベースの引上げに関する質問主意書

 賃金ベースの引上げに関する人事院の勧告は相当の根拠あるものと認められ、政府もその趣意を不当とされるものとは考えられないのである。然るに政府はこれを拒否するに左の二点を以てせられるようであるが、それに関して次の質問をしたい。

一、予算に余裕なきこと

 元来人事院が勧告を為すには政府が予算案を決定する以前においてすべきである、然るに事茲に出でざりしは人事院の手落ちと云うべきである。然しながらそれが為めに政府の責任が免除せらるる理由とはならないのである。
 右人事院の手落ちと政府の責任とについて政府の所見を承りたい。

二、名目賃金引上げに代うるに実質賃金の自然増加を以てすること

 実質賃金の自然増加とは要するに減税その他による生活費の低減を意味するものである。然らば生活費の低減額が名目賃金の増加額に対応しなければならない筈である。
 右生活費低減の詳細なる計算を承りたい。

  右文書を以て御答弁あらん事を要求致します。