質問主意書

第7回国会(常会)

質問主意書


質問第四三号

外地残留者の調査に関する質問主意書

右の質問主意書を国会法第七十四条によつて提出する。

  昭和二十五年三月三日

淺岡 信夫      

       参議院議長 佐藤 尚武 殿



   外地残留者の調査に関する質問主意書

 去る一月二十一日及び二月八日夫々舞鶴に入港した引揚船高砂丸による引揚者について直接調査した結果を、従来からの諸調査に照し合わせて見るに、引揚問題に関し国民は特に重大なる覚悟を促されているように考えられる。
 依つて左の事項について質問する。

一 ソ連関係地域及び中共地域等の未引揚者に関する調査については、政府諸機関の従来の努力もあるが、未だ相当多数の状況不明者があつて、その中には恐らく死亡と認められるようなものも相当にあるようである。特にこの調査はなるべく速やかに完了する必要があるにもかかわらず、現下の客観情勢はなお相当の日時を要するように思われる。しかも、留守宅は一日も早く未引揚者各人の安否如何を承知したいというのが偽わらざる心情である。
 政府としては、未引揚者最後の一人の調査終了まで相当規模の調査機関を存続させ、今後の調査機能を一層発揮せしめて、留守宅の心情に応える決意を持つているか。

二 未引揚者の状況を把握するには、関係国からの情報を入手するのでなければこれを完全ならしめることは不可能であろうとも考えられる。政府は、現在外地に残留する者、残留間における死亡者及びいわゆる戦争犯罪関係者に関する情報を得るため、関係国に対する格段の措置を講ずる意図があるか。