質問主意書

第7回国会(常会)

質問主意書


質問第三八号

通行税に関する質問主意書

右の質問主意書を国会法第七十四条によつて提出する。

  昭和二十五年二月十日

小林 勝馬      

       参議院議長 佐藤 尚武 殿



   通行税に関する質問主意書

 政府はシヤウプ勧告に基き昭和二十五年度一般会計歳入予算中には通行税として十億円を計上しているが、之は本年度通行税予算四十三億円に比し大幅の減税であり国民生活の安定に資するところが尠くないと思う。併しながら右減税案の内容を検討するに、海運については三等旅客運賃に対しては廃止されるが、一等及び二等旅客運賃に対しては却つて現行税率(百分の五)を四倍に引上げ、之を国鉄の寝台料金、急行料金等所謂特別料金に対する特別税率(百分の二十)と同一にしようとする模様であり、斯くては等級の区別なき私鉄、バスとは勿論一等及び二等設備の僅少な国鉄に比してその全旅客運賃の三分の一を一等及び二等旅客に依存する海運のみ重圧を蒙り、日本海運の復興を徒らに遅延させるばかりでなく船主経済を圧迫する結果、今後外人観光客を受入れるべき観光船の資質を著しく低下させる惧れがある。よつて政府は潔く之を撤廃するか不得巳んば海運の特異性を十分認識して海運のみは本税について特例を設くべきものと思うが如何。政府の明確な答弁を求む。